Euphoria【Raul】 (ページ32)

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Grateful days 32 ページ32

こざっぱりとした格好に着替えたラウールや他のみなさんと一緒に、近くの中華料理屋さんへと移動した。あの会場で公演をやるときはいつも使っているお店らしい。

ラウールは会場からぴったりと横にくっついていて、席も当然隣に陣取った。

なんとなく、ラウールを観た衝撃をちゃんと伝えたくてまだ感想を言えていない。とはいえ、わたしの語彙力では大したことは言えないと思うけど。

「Aさん、いっぱい食べてね」

「それはラウールでしょ。あれだけ踊ったんならお腹すいたんじゃない？」

「うん、始まる前にもお弁当食べたけど、もう消化しちゃった」

「みんな、飲み物いってるー？」

私の反対隣で、佐久間さんと紹介されたピンクの髪のダンサーが周りをぐるりと見渡した。ラウールが２０歳未満だから、一次会はノンアルコールという決まりなんだそうだ。

岩本さんが立ち上がって、短い労いと乾杯の音頭をとった。ガチャガチャとあちこちでグラスがぶつかり、宴会が始まった。

事前に連絡が行っていたんだろう。料理は間を開けずに次々運ばれてくる。

「Aさん、何食べる？」

「わたしはいいから、ラウール食べて」

お皿を押し返すと、ラウールが炒飯やらエビチリやらを大量に皿に盛りだした。あれ？こんなに食べるの？いつも夕飯は遠慮してるのかしら・・・