Euphoria【Raul】 (ページ27)

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Grateful days 27 ページ27

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「なぁんか、最近のA、楽しそー」

って、そっちはつまらなそうにカウンターに肘をついた辰哉がぼやく。

「若い子が近くにいるっていいね。生活に張り合いが出るっていうか。もうお肌なんか、本当につるすべでヤバいの。負けてらんない！とか思う」

新大久保行ってひと揃え化粧品買い直してきちゃったわ。

「ふぅううぅん。俺とは全然デートしてくんないクセにぃ」

「してるじゃない、今」

少しだけ残っていたカンパリソーダを飲み干す。今日は辰哉のリクエストで、裏メニューのラーメンが絶品だというバーに来ている。お酒飲めないくせにね。

「行こう、遅くなっちゃう」

つまらなそうに鼻を鳴らすけど、文句は言わずに立ち上がる。なんだかんだ、１ヶ月ぶりか。

絶賛夏休み中のラウールはダンスの公演が近いらしくて、最近はずっと帰りが遅い。電車がなくなってスタジオに泊まるときもあるみたい。

バーを出てぶらぶらと歩くと、ホテルに行き着いた。平日だから空いてる部屋も多い。

ふーむ、と並んだパネルを覗き込んだ辰哉だったけど、その白くて長い指が選んだのはシンプルな部屋。

建物に入ると、手を繋いできた。

冷たい辰哉の手。

見上げれば、すうっと細められた目が冷たく見下ろしてくる。

その瞳の奥から情欲がぞろりと垂れ流れている気がして、尻尾の名残が愉悦の予感に震えた。