Euphoria【Raul】 (ページ23)

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Grateful days 23 ページ23

「いい？ラウールは全然遠慮しなくていいの。ひとりだちできるまで居ていいって決めたのは、わたし。今のまま放り出したら、心配でたまらないわよ。逆にやめてほしいわ」

キリッと形の良い眉がへの字になってる。

「邪魔だなんて絶対思ってないから。むしろ、ラウールが来てくれて嬉しいよ。ずっとひとりだと思っていたから、こうやって作ったごはん食べてくれるのも、今朝みたいに『いってらっしゃい』って言ってくれるのも、すごく嬉しい」

「Aさん・・・」

その目が水分量を増していく。お母さんを思い出したのかもしれない。

「もし、ひとり暮らしをするようになったとしても、無理に離れる必要なんてないからね。家族、なんだから」

思わず口から出たことばに、自分でハッとしてしまった。

家族・・・急に現れた半分だけ姉のことなんて、そんなふうに思っているのはわたしだけかもしれない。

だけど、ラウールはこぼれそうな涙を湛えた目をゆっくりと細めた。

「Aさん、ありがとう。大好き。これからよろしくお願いします」

「あ、うん・・・こちらこそ、よろしく」

なんか語っちゃって恥ずかしいな。

だけど、少しだけ鼻を赤くしたラウールがにっこりと微笑んでくれたから、滲む視界をごまかすように、ハンバーグにかぶりついた。