Euphoria【Raul】 (ページ19)

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Grateful days 19 ページ19

翌朝、スマホのアラームで目を覚ました。

カーテンを開けると、空はどんよりと曇っている。出勤したら降り出しそうだ。職場に着くまではもってほしいな。

朝食はトーストでいいかな。今日のところはこれで我慢してもらおう。

トースターに食パン２枚を差し込んで、目玉焼きを焼く。半生と固いのとどっちが好きかな。卵焼きは甘いの派かしょっぱいの派か・・・

「おはよぉ・・・」

後ろから聞こえてきた、寝起きの掠れ声。

「おはよう！起こしちゃった？」

「んーん・・・かおあらってくるね」

寝ぼけているのか、しゃべってることばが全部ひらがなに聞こえる。

半熟の目玉焼きをひとつだけ皿に移して振り返ると、柔らかそうな髪がありとあらゆる方向に向かって伸びていた。どうやって寝たらそんな頭になるんだろう・・・

ひとつはかた焼きにして、ひとつは半熟。

顔と髪を整えたラウールくんは、気まずそうに廊下から姿を現した。

「昨日は先に寝ちゃってごめんなさい」

「そんなこと気にしなくていいよ、疲れてたんでしょ。朝ごはん、こんなものしかないけど」

ダイニングに座るように促して、目玉焼きを選んでもらった。

いただきます、とちゃんと手を合わせて食べ始めるラウールくん。昨日もそうだった。お母さんの躾は厳しかったんだろうか。