Euphoria【Raul】 (ページ14)

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Grateful days 14 ページ14

「舞踊って、ダンスのこと？すごいね！」

お父さんの血なのかな。少なくともわたしにはそんなセンスかけらもない。

少し頬を赤らめたラウールくんが、ぶんぶんと首を横に振った。

彼が得意なダンスを一生懸命説明してくれたんだけど、知識が無さすぎて想像もつかない。

「観に行ける機会があったら教えてね」

「ぜひ！」

うれしそうに目を輝かせるから、こちらもニコニコしてしまう。

食べ終わったどんぶりを洗う、と申し出てくれたけど、今日のところはお客さんなので丁重にお断りした。

自分のコーヒーと、彼にはミルクと砂糖をたっぷり入れたカフェオレにして、ソファへと横並びで座る。

「さて、何か話があって来たんだよね？」

そう切り出せば、カフェオレをひとくち飲んだラウールくんが緊張した面持ちでカップを置いた。

「Aさん、助けてください」

「え？」

体ごとこちらを向いたラウールくん。何か犯罪とかに巻き込まれているの？

「パパが、アメリカに戻るって・・・ママに付き添ってずっと日本にいたけど、もういる理由はないからって。お兄ちゃんも今アメリカにいるし・・・おれは好きなようにしていいって言われてるんだけど、一人暮らしとか全然自信なくて・・・」