しあわせのおと【Daisuke.S】 (ページ9)

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PEACE!! ９ページ9

引っ張られるように連れて来られたのは、ザワザワと程よく人が入った居酒屋。

目黒くんは何も聞かずに、お酒やオススメの料理を頼んで甲斐甲斐しく世話をしてくれた。優しいひとだ。

しばらく仕事の話をしながらお腹を満たし、２杯めのグラスも空になるころ。

程よく酔っ払っていい気分でいると、隣のテーブルで歓声が上がった。

「えー！おまえら付き合ってんの！！」

並んで座っている男女が恥ずかしそうに顔を見合わせてる。

目黒くんもちらりと振り返って苦笑した。

「そういえば、喜多川って彼氏とかいないの？」

ビクッとしてしまって、思わず目を泳がせる。

「とりあえず、新しいお酒、頼もうか・・・」

目黒くんはハイボール、私は甘めのお酒を頼んで、それをぐいっとひと口飲んだところでため息をついた。

「なんていうか・・・振られる前に失恋したっていうか・・・好きなひとに、好きなひとがいたっていうだけなんだけどね」

「そっか。辛かったな」

「うーん、辛いっていうか・・・混乱してる。付き合うとか告白とかまで考えてなかったんだけど、いざ恋人がいるって聞いたら思った以上にショックで」

「それはそうだろ、好きだったんだから」

目黒くんもハイボールをがぶりと飲んだ。