しあわせのおと【Daisuke.S】 (ページ36)

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PEACE!! ３６ページ36

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誰もいないメイクルームのドアが開く。

椅子に腰掛けたまま、おそるおそる入ってきた大介くんの方に顔を向けた。

真っ白なタキシードに身を包み、いつもはフワフワしている髪を今日はビシッと撫でつけてる。

「かっこい・・・」

「すっっっ・・・げぇ、かわいいいい！！」

すっ飛んできた大介くんが抱きしめようと手を伸ばして、寸前でピタリと止まる。

「・・・ダメだ！やめろオレ！！こんなに綺麗なAを汚すんじゃねぇ！！」

自分の腕を自分で押さえて悶絶してる。

中身はいつもの大介くんだ。ちょっと安心した。

「なーに笑ってんの」

自分と闘うのに飽きたらしい大介くんが、スツールを引き寄せて軽く腰掛けた。

「大介くん」

「んうー？」

こてんと首を傾げた大介くんに向けて、白いグローブをつけた左手を伸ばした。

指の甲で白くてすべすべの肌を撫でると、猫みたいに気持ちよさそうに目細める。

「３０歳のお誕生日、おめでとう」

「ん・・・ありがと。

あのさ、A。

オレと一緒にいてくれてありがとーね」

まっすぐに、大きな瞳が私を包む。

柔らかくて、楽しくて、ちょっと頑固で。それでいて素直で優しい大介くん。

ずっとずっとこのひとと一緒にいたいって思う。このひとの隣で未来を生きたいって。

「私も大介くんと一緒にいられて・・・家族になれて、嬉しいよ」