しあわせのおと【Daisuke.S】 (ページ26)

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PEACE!! ２６ページ26

「あの、ね・・・好きなひとがいるって、前に言ったでしょ」

「うん」

「そのひとに、避けられてる、気がするの・・・」

あ、やばい。自分で言ってて泣きそう。

「理由が全然わからなくて・・・何か気に障ることをしちゃったのか、仕事ができないから呆れてるのか・・・」

会話を邪魔しないように、スマートに頼んだものが運ばれてきた。甘くて苦いカシスソーダが喉を焼く。

「あのさ、聞いてもいい？喜多川の好きなひと。それって会社の人？」

「さ・・・」

「さ？」

「佐久間さん・・・」

「え！マジか！！」

目黒くんが目を剥いた。

「あー、そっか・・・そっか、うん・・・」

なに？口に手を当ててなんか考え込んでる。

急にピクっと震えて、ポケットからスマホを取り出した。電話じゃなくてメッセージだったみたい。食い入るように見てる。

なによう。放置されて目の前のオシャレに盛られた生春巻きにかぶりつく。うわ、すっごい美味しい。

しばらくメッセージのやりとりをしていた目黒くんが、なんだかくふくふしながら顔を上げた。

「それ、オレらでなんとかできるかも」

「なによ、どういうこと？」

むっとしながら聞き返しても、クスクス笑ってるだけ。

「大丈夫、オレと亮平くんに任せておいて」

「亮平くん？」

「ん？」

グラスを傾けた目黒くんがふんわりと目を細めて流し目をくれるから、ドキッとしてしまう。

「ああ・・・阿部、亮平くん」

やば。何この色気。