しあわせのおと【Daisuke.S】 (ページ13)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:72,576 hit

PEACE!! １３ページ13

１８時を過ぎて早めに上がることにした。

阿部さんからお店は聞いてる。少し時間を潰してから向かおう。

「佐久間さん、お先に失礼します」

「もう帰んの？」

画面から顔を上げて、大きな目をしぱしぱさせてる。

「あー、ええと、ちょっと本屋に寄りたくて」

「そっか。んじゃ、おつかれさまー」

少し疲れが滲んだような笑みを浮かべた佐久間さんに向かって、頭を下げて部屋を出た。

会社のビルを出てとりあえず駅に向かう。駅ビルの中に本屋があったから、あそこで時間を潰そう。

19時ちょっと前に指定されたカジュアルイタリアンのお店に行くと、通された席には阿部さんと、その隣にはなぜか目黒くん。

「あれ？目黒くん・・・？」

「おう、おつかれ」

「まあまあ、Aちゃん！どうぞ座って」

ニコニコしてる阿部さんに促されて座ろうと思ったところに、佐久間さんも案内されてきた。

「ええっ？！どーいうこと？」

「おつかれ、佐久間！今日はスペシャルゲストのAちゃんがきてまーす！ほら、席ついてー」

いつまでも突っ立ってるわけにいかないから、佐久間さんは奥に座ってもらって私は目黒くんの前に腰を下ろした。

そわそわと体を揺らしている佐久間さんを見ると、パチっと目が合う。

「なんか、すみません、急に」

「え、なんで？！すっげー嬉しいよ！！来てくれてありがとね」

その笑顔に、封印しようと決めていたはずの胸がきゅんとときめいた。