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7 think ページ7
入学式の時間に合わせてカフェを出た。
大学の構内に入ると、同じようなスーツ姿の人たちが傘をさしてウロウロしている。
「オレも出よっかなー」
「ダメです。目立つよ？」
「ええー、そうでもなくない？大学なんて年齢不詳の奴ばっかでしょ」
講堂の入り口でゴネる岩本さんをなんとか追い返し、中に足を踏み入れた。
すり鉢状の会場内には新入生がひしめき合ってる。すでにグループになっているところもあるけど、大半はひとりでスマホを見ているような人たち。
私も適当に空いた席に座り、さっそく入った岩本さんからのメッセージに返事を送った。
「喜多川」
聞き覚えのある声。
ふり仰ぐと、照れ臭そうに笑う目黒が見下ろしていた。
「久しぶり。っていっても卒業式以来だからそんなでもないな」
「そうなんだよね。でもスーツの目黒は新鮮。全然見慣れない」
「おまえもだろ」
右隣に座った目黒が、ぴくりと固まった。
「ん？どうかした？」
「いや・・・」
少しだけ眉をしかめた目黒がかぶりを振る。どうしたんだろう？
事前にもらったキャンパスマップを２人で覗き込んでいるうちに、式は始まった。
合同の入学式のあとは、学部ごとにオリエンテーリング。目黒と連れ立って講堂を出ると、岩本さんが待っていた。
「ずっと待ってたの？」
「さすがにそれはない。ゼミ寄ってた。ねぇ、A」
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作者名：ゆき乃
| 作成日時：2022年7月10日 0時
