今日:19 hit、昨日:7 hit、合計:29,915 hit
小｜中｜大
33 beside ページ33
ゴクゴクと上下する喉仏。
半分は残っていたはずの飴色の液体は、みるみるうちに氷だけになっていく。
カン！とそれがテーブルの上に置かれた。
と、冷たい指先が私の手を包む。
「えっ」
呆然と目黒の横顔を見つめていると、一瞬ぎゅっと痛いくらいに握られた。
「ちょっと一緒に来て」
急に立ち上がるから、引っ張られて立つしかない。
「悪い、俺ら抜けるな」
大橋くんを見下ろして、目黒が冷たい声で言い放った。
はっとして彼の方を振り向くと、大橋くんも人のいい笑顔、というよりはどこかうっすらと挑発的な微笑みを浮かべてる。
「またお話ししましょーね、Aさん」
「あ、うん、ごめんね。お金・・・」
「あとで目黒くんにもらうからだいじょぶでーす」
「へ？なんで目黒・・・？」
ぐいっと腕を引っ張られ、テーブルを飛び出す。
上着はどれだと聞かれて掘り出したダウンを手にすると、目黒もさっき脱いだばかりのそれを手に、カラオケルームを後にした。
上着を着ろ、と促されて離れた手が、また繋がれる。
ズンズンと歩いていく目黒に引きずられる。その足取りは、何かから逃げるように走りだした。
「ちょ、ちょっと！目黒！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆき乃
| 作成日時：2022年7月10日 0時
