Good for you!【Ren.M】 (ページ4)

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卒業の日。花曇りのお天気は、式次第が進むにつれて晴れていった。

卒業証書を手に、クラスのみんなで写真を撮りまくる。３年間部活漬けだったとはいえ、クラスの仲は良かったから、あちこちグループになっては何度もスマホに向かってピースを作る。

「目黒！おまえもこっち来いよ！」

誰かが声をかけると、女子に囲まれていた目黒がこっちに来て隣に立った。

「いくよー！」

何枚かシャッター音がして、またバラバラとほどけていく。

「目黒、なんか・・・いろいろありがとう。また大学でもよろしくね」

「いや、こっちこそ。喜多川が一緒でよかった」

「１年の共通科目は同じ授業なのかな。会えるといいね」

目黒が困ったように眉尻を下げた。首の後ろに手を当てたり、口元にやったり、なんだかそわそわしてる。

「あのさ、ちょっとだけ時間もらえないかな」

「いま？いいよ」

教室の中はまだまだ撮影タイムが続いてる。

「ここじゃな・・・出ようか」

「あ、長くかかる？」

「え？」

背を向けて踏み出した目黒が振り返った。

「部活のＯＢが来ることになってて・・・たぶん、もうそろそろ」

手に持っていたスマホが震える。きっと岩本さんだ。

「あー、そうなんだ」

目を泳がせている目黒の向こうで、ひょいと顔をのぞかせた人がいた。