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慌てて友人たちに手を振った。
「ごめん、せっかくだから行ってくるね！」
「わかった。じゃ、後でね」
リフトの列に並んでるのは昨日ジャンプの練習を一緒にした男の子たち。最後尾につくと、目黒が列から抜けて隣に来た。
「あれ？いいの？」
「うん」
リフトを乗り継いで上へ上へと昇っていく。
「ふふ、ワクワクする。リフトに乗るの好きなんだよね」
目黒が隣でくすりと笑った。
「もしかして、喜多川って絶叫系も得意？」
「好きってほどじゃないけど、嫌いじゃないよ。乗るのは平気。目黒は？」
「オレも。乗れなくはないかな。そんなに乗りたいとも思わないけど」
「そうなんだ」
目黒とは好きなものが似てるのかも。一緒に出かけたら楽しいかも知れないな。
高い所まで登ってくると、遠くの町が見えてきた。
「目黒！目黒、みて！すごい、綺麗！」
湖があって湖面がキラキラと光っている。周りの建物には白い雪が積もっていて、粉砂糖を振りかけたみたい。
「うわっ、すげえ！ねえ、写真撮ろう」
「え、良いけどスマホ落とさないでね？」
「平気、ストラップついてる。ほら、こっち寄って」
「やだやだ！寄ったら傾く！」
ぎゃーぎゃー騒ぎながら、でも満面の笑みの2人がスマホの小さな画面におさまった。
「写真送るから、あとで連絡先おしえて」
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作者名：ゆき乃
| 作成日時：2022年7月10日 0時
