溶けるほど、甘く【Ryota.M.】

melty. 33 ページ33

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「・・・ということで、好きな人が独身だったことが判明したんです〜」

翌日、ニマニマして気持ち悪い、と同期に突かれ、ランチをしながら報告会。

「なんの仕事してるの？その人」

「ケーキ屋さんの店長さん」

フォークを口に突っ込んで顔をしかめる同期。なに、それそんなに不味かった？

「それは、やめといた方がいいかもよ？

友達の元カレがさ、やっぱりパティシエだったのよ。その人はフランス料理のお店のパティシエだったらしいんだけど、もうずーっと仕事のこと考えてるんだって。しかも、クリスマスとかバレンタインとか、恋人のイベントごとって稼ぎどきじゃない？そういうときに一回も一緒にいられなかったって言ってたよ」

たしかに。お正月も手土産を買っていく人がいるから、三が日は営業するって言ってたしなぁ。

「そういう不満が積もりに積もって、結果的に別れたって。だから、本気だったらその辺よく考えな」

「なるほどねぇ。ありがと、ちゃんと考えてみる」

とはいえ、クリスマスだって忘れるくらいだ。記念日もあまり覚えていられる方じゃないし・・・っていうか、それはそもそも女子として終わってるな。

「ま、次はクソ男じゃないことを祈ってるわ」

「店長さんはそんな人じゃない！・・・と思いたい！！そうだ、今度一緒にケーキ食べに行こうよ」

「あんたのおごりならね」

「金欠なのに！」



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