【ス,ト,グ,ラ／gta】その視線の先は。

11,車 ページ13

『そう、ならいい』


“お前も成長したんだな”とは、言える資格のない私。
それでも、成瀬は満足そうに私の隣を歩き出した。

私の車は警察署からでないと出せないため、成瀬に頼ることにする。


『車は？』

nr「あるよ〜
さっき全修理してもらったばっかり」

『これは傷つけられないな』


病院の駐車場に一つの車がおいてある。

見た限りだと、これ多分イグナスだな
私も持ってるやつ

昔憧れて、何億もするから何日も何日も仕事頑張ってやっと手にした車だったからな…
成瀬がこんなのにも手がつくようになったなんて、家庭はきっと安泰だな

助手席に座り込むと、成瀬が運転席に座ってハンドルを握る。



nr「いざ！我らの本拠地へ！」


ぎりぎりスピード違反にならない速度をすれすれで走り、壁や木などにぶつかりながらも警察署にむかう。

修理したばっかりじゃないの…？


『成瀬、お前はもう少し運転の練習をしろ』

nr「え」


何故かへこんだような声でぶつぶつと悲しそうに言うもんだから、やっぱりいいやといっておいた。
私昔っからこいつに甘い気がするな
警察になったし、少し強めにおこってもいいころなんじゃないか？


nr「Aさ、」

『ん？』

nr「俺からずっと逃げてたわけだよな」

『…そう、なるな』

nr「じゃあ」


覆面の下の口が、少し弧を描いたような気がした。


nr「警察に入った以上、逃げられないってわけだ」

『は？』


ちょうどのタイミングで警察署につき、気づいた頃には成瀬はどこかに走り去っていた。


まぁ、いいか。


警察にいる限りはふらっとしていれば簡単に会えるだろうし、そのときに聞いてみよう
一旦保留へと運び、銃の弾の補充へ向かおうとすると


「あ！刀ちゃん！」

『？』


声のする方向へ首を動かすと、
そこにはタコスのお麺を被ったゴーグルの子がいた。
声と体つき的には女性だろうか？

首を傾げていると、ものすごいスピードで走り寄ってくる。

あれ車よりも早いんじゃないか？
最近の女子は怖いな


なんて考える暇もなく自分の体に突進される


『!?』


しっかりと彼女を受け止め、倒れないように不安定な足を立て直した。
安堵の息をついたとき、彼女は光の速さで顔を見上げ、覆面越しだが期待の眼差しをギラギラと向けてきた。


『驚いたよ。こんな元気な子が、警察に努めているなんてね』

「えへへ〜逃したくなかったからね！」


そう言って、抱きしめる力を強くするタコスちゃんだった。
…ていうか誰

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