猫が五匹 ページ6
甲斐「ふざけんなよ！こんな茶番、付き合ってられっか！」
勢いよく甲斐が窓ガラスに椅子を投げつけた。けれども、椅子はただ跳ね返り、硝子には傷一つついていなかった。
『にゃ〜……、強化ガラスかぁ』
柊「せいかーい。そのガラスは、紀藤の指摘通り強化ガラスだ。それに、……ふざけてないし、茶番でもない。俺はこの半年間、この日のためだけに過ごしてきたんだから」
”この半年間”。つまりは担任になった時からず〜っと。
ここまで緻密に練られた計画性の高さ。執念。身体能力。そこから予想できる人脈の広さ。人望の厚さ。人柄の良さ。すべてが気に入った。
正直、この状況を楽しんでいるのは先生と私くらいだといえようか。いや、先生が楽しんでいるかは別か。少なくとも私は楽しいけども。
『あんな男に拘ってないで、こっちに乗り換えればよかった……』
ぼそりと呟いた言葉はきっと誰にも拾われていない。
だから、今からでも遅くはないだろう。全力でこの男を落としにかかろうではないか。
(さすれば、私はアイツよりも上に行ける！)
柊「それじゃあ、皆には話合ってもらおうか。俺は美術室にいるから」
皆の携帯と鞄を回収した袋を引きずって教室を後にしようとしている先生は、逢沢に呼びかけられたことで足を止めた。
逢沢「もし、景山の自i殺した原因がこのクラスの誰かだったら、そいつはどうなるんですか？」
柊「……そうだなぁ。それなりの裁きは受けてもらおうかな」
裁き。
その言葉に皆が息を呑む。
それは、この中に犯人がいるということの暗喩でもあって、それを見た先生はこめかみに指をあて、むかつくほどに口角を上げた。
柊「【 Let's think ! 】」
先生はただ一言残して教室を後にした。
そして、すぐに先生の後を追っていく茅野の後を私は追う。
美術準備室へと入ろうと扉に手を掛けた状態で立ち止まる先生と、美術室中央まで踏み込んでいった茅野。そして、入り口の方で壁を背に座り込んでいる私。
騒ぎ出す教室のクラスメイト達の声で耳が覆われる中、彼女らの話だけに耳をすませた。
茅野「どうして私なんですか」
柊「茅野は景山と友達だったよな」
茅野「私なんか友達じゃありません。……自i殺するちょっと前に手紙をもらって、そこにも書いてありました」
柊「なんで手紙だったんだろうな。…………いや、今時珍しいなと思って。
とにかく他の誰でもない、お前が答えるんだ。ほら、紀藤。手伝ってやれ」
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乱数 - 気まぐれって感じが凄い好きです…… (2020年12月16日 9時) (
レス) id: a4b666bcbc (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク。(プロフ) - 続き読みたいです！頑張ってください (2020年9月23日 22時) (レス) id: 68c4d6e970 (このIDを非表示/違反報告)
みょか - 夢主さんの不思議な感じとカッコいい感じがスゴく好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年1月5日 22時) (レス) id: 8b4b0337c0 (このIDを非表示/違反報告)
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