猫が十三匹 ページ15
皆が目を覚まし、朝食を取り終えた頃、先生は放送で、生徒たちを席順に、等間隔に並ばせた。
机と椅子はもちろんのこと後ろに下げ、広くなった空間に、ＣＤデッキをもって現れた先生に、皆怪訝そうに眉をひそめた。
柊「ハァイ、もっと笑って〜！嬉しそうにー！！
大切なのはー……―――想像力だぁー！」
元気ににっこにっこと動きまわる先生。
聞き覚えのあるこの音楽は、私の学校恒例の”朝礼体操”の曲。軽快な音楽と、ポップ(？)な踊りが売りらしい……にゃーは詳しくないので、わからにゃい。
……なぁ〜んて、考えながら適当にこなしていた時、左側からやけに腹の立つ声が聞こえてきた。
柊「ヘイヘイヘイヘーイ。甲斐君どうしたぁ？」
その声は、面白ものを見つけて笑いをこらえて……いなさそうな、いかにも挑発という感じの声色。それはもちろん、先生から発せられたもので、向けられた当の本人は、心底うんざりとした表情で体をこちらに向けた。
柊「言ったろぉ、想像力だよ！＿＿＿＿……今お前が踊らなかったら、皆がどうなるか……
――――バァンッ！
長生きしたいなら、体操はした方がいいよ、わかってるよなぁ？」
先生を無視して歩き出そうとした甲斐の肩に、ぽんと両手を乗せて、声を潜めた。
わかりやすく足を止め、表情を変え、おとなしく踊り始めた甲斐に、先生は満足そうに声を上げた。
柊「いいねぇ〜甲斐君。キレてるキレてるぅ〜！
ハァイ、紀藤、手抜きはダメだぞ〜！」
『……』
―――チッ、なぜバレた？
いつも手抜きをしているというのに。
柊「……運動神経はいいんだから、踊れないわけ...ないよなぁ？
＿＿＿＿朝っぱらから、死人……なんて出したくないだろう？」
耳元で、ふーっと息を吐くようなペースで吐き出された物騒な言葉。
甲斐の方からちらちらと送られてくる視線に、嗚呼……甲斐も脅されたのか。と憐れだと思う感情が芽生える。それと同時に、意外にも甲斐の仲間思いの心にわずかに心打たれた。
『＿＿＿＿
柊「何か、言ったか？」
『いいや。なんにも……それより先生、
＿＿＿計画は順調かなァ？』
――――私の出した問いに彼が答えることはなかった。
ちゃんと踊れよ、そう言い残して教卓の前に戻った先生の後ろ姿をまじまじと見つめた。
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乱数 - 気まぐれって感じが凄い好きです…… (2020年12月16日 9時) (
レス) id: a4b666bcbc (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク。(プロフ) - 続き読みたいです！頑張ってください (2020年9月23日 22時) (レス) id: 68c4d6e970 (このIDを非表示/違反報告)
みょか - 夢主さんの不思議な感じとカッコいい感じがスゴく好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年1月5日 22時) (レス) id: 8b4b0337c0 (このIDを非表示/違反報告)
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