気づくなにかの影* ページ11
そんなある日のことだった。
いつも通り雑草かなにかを食べて、お風呂は川を使い、涙の生活をしていた。
彼が帰ってくるかなんて、もう考えないでいた、はずだ。
というか、これだけたってもあきらめられない私は、どれだけなさけないのだろうか。
涙の生活、ということは、まだ彼をあきらめきれていないのだ。
「ねぇメリオダス様、誰かあそこで泣いています!」
「どうして…ほんとになさけない…って誰の声?」
ふいに後ろの方から聞こえた声に反応して、声の方を向いて見る。
すると、遠くに4人の人影と1匹の豚?が見えた。
その影はこっちに近寄ってきて、一番前にいる金髪の人にかんしては、まるで私を知っているかのようだった。
何かに安心したのか、私の涙は気が付いたら止まっていて、久々の普通の顔になった。
地面は相変わらず破壊されていて、今更ながら「私のせいなんだ」と気づく。
「誰だよ、ここらで泣いているやつ…か。」
「関係ねーんじゃね?だって見たこともないし、仲間さがし、行こうぜ?」
一匹の豚は私のことなんてどうでもいいらしい。
いや、普通はそうなるのだけど…だって昨日まで通る人々がみんなそうであったから。
「いーや、いい収穫になる予感がするぜ♪」
「僕は単純にかわいそうだから、助けてあげたい。泣いている女の子は放っておけないよ。」
大きな女の子は結構な優しい人だった。
…とまだ話してもいないのに決めつけてしまった。
「ちっ…。」
「団長、なにか見つけたかい?」
「ああ、キング、あそこ見て見ろ。」
4人だと思っていた影はもう一人増えた。
近寄ってくる影が4人と一匹…ん?
5人だったのは気のせいか。
「あっ…待って、この人たちってもしかして…ね、まさか。」
ずっと影を観察していて気づいたことがあった。
「どうしたの?なにかありましたか?」
それは…と答えを出そうとしたとき、女の子が話しかけてきた。
「エリザベス、気を付けろ、地面に穴があいてるから!」
「あー…はいっ!でも。」
「…大丈夫…です、私は、きっと。」
素直に困っていると、寂しいと口にできなくてごまかす。
どうせこんなこと言っても誰もついて来てもくれないし、「一緒においで」なんて子供みたいに言ってくれない。
「大丈夫なら泣かないんじゃないかな。」
大きな女の子も心配そうに顔を覗き込む。
「なぁ、ディアンヌ、待てよ。」
そして金髪の男の子は真剣な顔になった。
私が気づいたこと、向こうも気づいてしまったようだ。
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ピース♪@PC破損中(プロフ) - ルナさん» うわー!なんと!ありがとうございます。あの…どこの部分でしょうか? (2018年8月1日 12時) (レス) id: 42eb3dfe3d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 回転じゃなくて開店だと思いますよ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 27b92c5969 (このIDを非表示/違反報告)
、 - ルールも守れない、理解もできない人の作品には高評価はつかない (2018年3月6日 19時) (レス) id: eebce367fa (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@現在低浮上ぎみ(プロフ) - オリジナルフラグ、外してください。続編を作る前によく確認してから更新してください。 (2018年2月11日 12時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピース♪ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yu0828na/
作成日時:2018年2月11日 12時