【七つの大罪】狙われたポイズンスコール part3

彼のスイッチ* ページ41

『ぐるぐる〜…ってこういうことじゃないのか？』

私が何回「違う」と言っても彼はなぜかぐるぐる頭を本気で回している。
なんだろ、気にいったのだろうか。いや、彼いわく「好奇心」だとか「興味本位」とかはあるらしい。

けど、それとこれとは違う気がしてならない。
「あの、頭を回すというのは…思考を巡らせるということです。」

冷静になってやっと説明してやると「なるほど理解した」となんと呑み込みが早い。
「いや、あの…呑み込みが早すぎます！」

もうなんとも言えなくなってしまったので、寝る準備をする。
と言っても布団にはもう入っているのであとは目を閉じるだけ。
『やっと寝るのか。』

「誰のせいよ！」

突っ込みや説明をさせた張本人だと言うのに、彼はなぜか知らないけど知らん顔。
まるで「俺は何もしてませんよ」なんて言っているかのような顔つきと表情。
そして言葉。寝る前くらいはゆっくりさせてほしいというのに。
『誰だ？あ、お休み。』

「なんだそれ！私で遊ぶな、さっきから！」

夜なのにこんなに大きな声を出してよいのだろうか。絶対に下の誰かに怒られる。隣がいなくてよかった。
「お休み、もう寝るから何も言わないでね。」

『了解した。』

彼のスイッチはどこにあるのだろうか。いつの間にか入ってしまっていつの間にか消える。
消し方もわからなければ入れ方もわからない。

今はなんとか消せているので安心して寝ることができる。
夢にスイッチの入った彼が出てきそうで少し怖かったが気にしないことにする。

暫く寝返りを打ち、布団でごろごろしていたが、彼のスイッチのこと出頭がいっぱいで寝れなかった。

そんなどうでもいいこと、どうして頭がいっぱいになるのか。いや、私も知りたい。
しかも彼なら今頃「寝ないのか？」とか言ってくる時間だが、何も言わない。
さすがに迷惑をかけているのかと思っているのか…いや、そんなはずあるまいか。
『眠れないのか？』

ほら、みろ。さきほど解説したとおり。必ずどこかで突っ込んでくるだろうと思っていた。
「フラグをきれいに回収しないで。」

フラグと言っても自分でかってに立てたものだが、それをきれいに回収されては困る。
考えていることが丸見え…というわけなのだろうか。キングさんと同じだ。
『ん？俺は心配しただけだ。』

いや、確かにそうだろうけど、私にとっては…ああ、もう何も考えないでおこう。
頭をからっぽにし、心も空っぽに…じゃなければ眠れない。彼のせいだ。

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