【七つの大罪】狙われたポイズンスコール (ページ43)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:26,612 hit

言い合い* ページ43

懐中電灯は夕方すぎてから発見したので、明日の朝までメイリスといることにした。
それをいうとあっさり承諾してくれたので、暇ではなくなった。
”っというか…疲れたんですけど、ねぇなにかないの？”

「あるよ、大量に。」

私はライトを探してくれたお礼に、いや、メイリスがお腹を空かせているようなので二日目と一日目に取った大量の木の実をあげた。
もちろん私も一緒に食べる。
「甘いね、私てんさーい！」

”天才はもっとかしこいと思うよ。”

ぜいたくさせて損した。
木の実をもらっておいて、そりゃないだろう、としんそこいらだちながら木の実を一つずつ口の中に運ぶ。
甘さが口の中にじんわり広がり、たっぷりと果汁とともに実が解けて行くような感覚がして美味しい。
”Aどうしたの？”

「あなたはばかなの？」

”うん、少なくともAと同じくらい。”

ああいえばこういう、メイリスと私の言い合いは始まってしまえば、いつまでたっても終わらない。
「待ってよ、終わりが見えなくなるからやめて。」

”そっちから引くのもやめて。”

「だってめんどうだもん。」

正直に答えてやると「えー」と頬を膨らませた。
ちょっぴりかわいい顔をするのは反則技である。
「ほら、言い合いなんてやめて、この森のこと詳しく話してよ、ちょっと気になるからさ。」

”そこまで気になるならいいけど、おもしろくないよ？”

おもしろくなくても、なぜか気になる。
気が付けばなんだかアドベンチャー気分で、小さな冒険をしている感覚だ。
…と、こんな呑気なことを言っておいて、迷っているのだがそれがまた楽しい。
いや、一日目と二日目は寂しかった、理由はもちろん。
しかし、今はちょっとした冒険を味わいたくて、今後の肩慣らしをしたくて、メイリスに話を聞くことにした。
「おもしろくなくても大丈夫、まじめに聞くから。」

”まー、どこから話せばいいかわからないけど、化け物が出るっていったじゃん？その化け物私はまだ会ったことなくて、だって行ったことないんだもん、今日以外。”

メイリスいわく、その化け物は人を見つけると必ず襲い、目が合えば死んでしまうらしい。
原因はよくわかっていないようで、メイリスも悩んでいたが、会わないのと見つからないのが一番の対処法だ、あたりまえ。
”会ったらどうしよう、とか思って探しながらしんそこびびったんだよ？もう、迷わないでよ、ってかかってに森行かないで。いや、店閉まってたのはわかるけど。”

どうやらすごく心配をかけてしまったと同時に、怖い目に合わせてしまったようだ。