【七つの大罪】狙われたポイズンスコール (ページ42)

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迷いの森三日目* ページ42

考えている間にすっかり眠ってしまっていたようで目が覚めると太陽が上にいた。
まだ、メイリスはきていないようだったので、急いで思考を回す。
朝からの頭のフル回転に頭痛が走るが、昨日さぼった私が悪いので仕方がない。

私が考えているのはライトだった。
メイリスにライトを持ってもらい、そのライトについて行くことで案内できることになる。
しかし、さきほども言った用に、森にライトなんて存在しないだろう。
”A、きたよ、考えた？”

もう私は考えてないよ、なんて言うように明るく声をかけるメイリス。
「待ってよ、メイリスも考えたの？」

”考えてるわけないでしょ？だってAが考えてくれるっていったじゃん。”

誰も全部考えるとは言っていないような気がするが、案の定予想通りの返事だったので呆れることにする。
「わかったから…それじゃ手伝って？」

メイリスは「え、考えてくれたの！」とおおはしゃぎしながら承諾した。
そんなに大したことではないから、メイリスの期待しているようなすごいものじゃない。
なのに、このはしゃぎようだ。
”なにすればいいの？”

大方考えは説明し終わり、「わかったー」とライトを探し始めるメイリス。
あの説明で理解してくれたのかはわからないが、ライトで案内してほしいとだけ理解してくれればいい。
せめて、それだけでも。

私もライトを探しに森を歩き始める。
奥に行くとまた迷うので、周りを探すことにした。
すると少し歩いたところに穴があった。
”はまらなかったぁ。”

いたずらを仕掛けたのはやはりメイリスで、私が引っかからなかったことに少しショックを受けているようだ。
「メイリス、まともにしてよ。」

「はいはい」と変な返事を返すメイリスに「こっちがいいたい」と吐き捨ててやった。

その後も歩いて探すもゴミや壊れたライト、ガラスの葛谷鉄屑、金属の塊など、意味の分からないものだけが発見され、肝心なライトは見つからなかった。
”もう疲れたよー…”

「待って、ほらメイリス、あきらめるのは速いよ、あそこ見て！」

あきらめかけたそのとき、生い茂る木の上に光っている懐中電灯を発見した。
これが唯一のチャンスである。
これで三日目が終わりそうな感じもするが、助かるならそれでいい。
”あ！あったね、でも、これつくの？電池とかは？”

「わからないけど、光を消して明日出発しよ？」

とりあえず光を消して、明日まで持たせることにした。
三日目にして、助かると思ったら、なんだか奇跡だ。そして嬉しい。