【七つの大罪】狙われたポイズンスコール (ページ40)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:26,622 hit

論理的* ページ40

”この森は唯一私くらいしか知らないと思うよ。”

ふいにメイリスがこの森のことを話しだした。
「どうしたの？急に。」

”ほんとばかねぇ、私ならAを家に戻すことができるっていってるのに。”

…ああ、そういうことか。
まったくの理解ができなかった。
理解力がないと困る、ということは、こういうことなのか。
むしろ、今は眠気がきているので、頭が回っていないのかもしれない。言い訳だ。
「ありがとう！メイリスなら助けてくれると思っていた！」

メイリスに聞くと、この森はやっぱり私は行ったことがないらしく、家の近くにあったが危険とのこと。
メイリスは行ったことがないと言っていたけれど知ってはいるようだ。
行ったのはメイリスも今日が初めてで、知る限りの知識を辿ってここにきたらしい。
これで一生森生活をしなくてすむ。
やっぱりメイリスは私の陽だまり。
”ちょっと？聞いてる？”

「あ、あ！ごめん、考え事してた。」

気づくとメイリスがなにか呼びかけていたようで、我に帰ったときには少し怒っている感じがした。
”ほら、速く寝て明日速く帰るよ？朝速めに出ましょう。”

速く出る理由はメイリスいわく、「この森には魔人みたいな大きな化け物が出る」らしい。
大きな化け物なんて糧やしない。
いくら魔力が使えるからと言って、戦う理由などない。
無駄に体力が奪われてしまい、帰る気力がなくなる。
「大きな化け物。それどんな感じの？」

”だいぶん大きいよ、全長２メートルはあるかな？”

化け物にしては小さいので、突っ込んでやると「あなたにとってどの大きさが「大きい」イメージなの？」と言われた。

確かに、基準がわからない。
人から見て「大きい」と言われても私からすると小さいのかもしれない。
論理的にいうと、メイリスが大きいというのは半分正しくて、半分正しくない。
細かいことなので、また怒られる。
「う～ん、ごめーん～。」

”何か言いたげな顔してるじゃない、いってみなさいよ。”

黙っているのに顔でばれたようで、メイリスは私を問い詰める。
「い、いいじゃん、いってもメイリスが怒るだけだよ？もしくは呆れる。」

”それはいったい…私の悪口でも思いついた？それとも。”

悪口なんてはなからあるわけない。
メイリスにいえばどんな反応が帰ってくるかがわかっているので言わないだけだ。
そこからめんどくさくなって、また眠れなくなるに違いない。メイリスと私が話しこむと長くなるからだ。