【七つの大罪】狙われたポイズンスコール (ページ37)

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迷いの森、一日目* ページ37

迷い続けてまだ２時間くらい。
未だに帰り道にはたどり着けるわけでもなく、ただただ暗い道をさまよっていた。
明かりが見えることも、空からの太陽が見えることもなく、ただただ暗いだけの道だった。
２時間くらいという時間がわかったのは、わかったというより、感覚だった。
「お昼ってお腹がすくよね…腹時計が教えてくれるかな。」

とりあえずその辺の木の実を大量に収穫した私は、帰り道にたどり着けるまでここで野宿しようと思った。
辿りつけるかもわからない迷いの森は、とても恐ろしい。
今まで森に迷ったり、道に迷ったりなんてしたことがない私は、助けがいない今、若干パニックになっている。
「あーもう、ここどこよ！」

木が生い茂っているので、しょうしょう大きな声を出しても響きやしない。
むしろ寂しいので、響くくらいしてほしいものだ。

ほぼほぼ疲れ果てた私は、考え方を少し変えて見た。
帰り道にたどり着こうとするのではなくて、ここでする生活のことを考えるようにした。
まずは、ここでどうやって寝るのか。
フトンもなく、ただのじべたで寝るのは風邪をひく危険と虫にくいつかれるおそれがあり、ある意味の危険だった。
「その辺の葉っぱ…借りて行こうか。」

借りて行くというより、返せない。
雑草や葉っぱなんて抜いてしまえば生えてこない。
生えてくるものもあるが、今すぐにとはいかない。
このまま奥に行くとさらにたどり着ける確率が低くなるので、奥に行くのはやめるようにして、周りから水や草などといった必要なものお調達した。
なにやら暗さや雰囲気が夜になってきたようで、周りの虫の声がひどくなってきた。
変な森に迷い続けているだけで、一日が終わるなんて、勿体無い気鹿しなかった。

この森に野宿しようとは思ったけれど、ずっとここにいるのは無理そうだ。
食糧不足と水不足、危険でやられてしまう。
誰もいない中で暮らすのは少し無理があるようだ。
「ま…まーあたりまえか。」

人間誰も、森で暮らそうなんて思う人はいないだろう。
たいてい家に暮らしているか、車で暮らしている。
私は人間をやめて、車でもなく、家でもなく、森。
森だよ？考えただけで自慢にならないようなものだった。
メイリスに言われた石のことを考えるより、先に帰り道のこと考えたくなった。
覚悟を決めてさー行こうというときに、こういうトラブルによく巻き込まれる。
トラブルと言うより、私が悪いのだけど。
こうして、迷いの森暮らしの三日間のうち、一日目が終わろうとしていた。