崩れゆく夢を抱きしめてⅡ【うらさか】 (ページ22)

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． ※No side ページ22

志麻とセンラは病室のドアを開けた。

その瞬間、這うように入っていくうらたと坂田を見つめている。

う「本当に…悪かった。

許してくれ…こんな、信じれなくて…ホントに。ホントに。ごめん。」

さ「あまつきぃ…あまつきぃ…

助かってくれ。あまつき。」

2人はベットにしがみつき泣いた。

その間、坂田は天月とあまつき…。と、ずっとずっといっていた。その時間はいままでで一番長かったように思えた。

清潔な薬の匂い。

点滴が落ちていく後ろめたさ。

真っ白な壁と同化するようなベッド。

職場のはずの病院が憎い物になった。どうして、どうして、こうなってしまったのだろう。どこから踏み外したのだろう。

まにあって…くれ…

永遠に、生きている間ずっとあまつきがこの状態で点滴とお腹のチューブで生かされるかも知れない。

その思いがかき消しても、かき消しても、頭の中にはぐるぐるとその事実が回った。

きっと、あのとき、母が病院から転落した日いや、もっと前から患者のことに過度に感情移入してしまう天月はこんな気持ちだったのかも知れない。

それが知り合いの母。

殺してしまったら、、、
その不安が後を絶たなかったのだろう。

う「ごめん…ごめんなあまつき。俺のせいで。プレッシャーかけて、おまえのせいじゃない。」

さ「」

もう、坂田はベッドの横に座り込んで呆然としていた。坂田も感情の急変で頭が追いついてないのだろう。

すると、天月の小指が震えるように動いた。