... ページ7
『あ、河村さんからいいね来た〜!』
ホテルのベッドで足をばたつかせて喜ぶ私。密かにホテルには無事に着きました?みたいなメッセージが来るかなって期待してたけど、きっと忙しいだろうからないな。と思い、もし心配していたら悪いのでせめて呟きで知らせておこうとしたのだ。反応が来たということは見てくれたということですよね。もうそれだけで十分だ。
まさか偶然同じ日に栃木に行くという奇跡が起こるとは思わなかった。丁度この週にまとまった休みが取れたからいい機会だと旅行の予定を立てた。そうしたら、河村さんも帰省すると言うのだから驚いた。これは一緒に行くべきでは?と瞬時に思った私はわざと河村さんの最寄に行こうという計画を立てた。
元々栃木に行くとだけ決めていて、ほかはノープランだったのでちょうど良かった。いや、決してストーカーではないぞ。確かに河村さんのことは好きだけど。あわよくばお母様とかに会えないかなとかそんなこと考えてませんよ。勿論。でも、出来たら河村さんに案内してもらいたいなと思ったことは認めます。
.
.
翌日、2泊3日しかないのでスマホでおすすめスポットを検索して行ける所はとことん行き尽くそう!と朝から張り切って色々な所を巡っていると河村さんに会った。
『あれ?』
「あ」
私を見つけるなり一瞬嫌な顔をした河村さん。え、ちょっとショックなんですけど。でも私はめげませんよ。
『河村さんも食べます?美味しいですよこれ!』
「美味しいの知ってるよ」
『お、流石ですね』
「これでも地元なんでね」
そうですよねー、と言いながら最後の一口を食べ終える。
「色んな所回ってたの?」
『はい。楽しかったですよ』
「へえ」
『河村さんは1人ですか?』
「これから高校の同級生と会うよ」
『あ、そうなんですね…』
高校の友達、かあ。きっと女の人もいるんだろうな。でもどうせ私は勝てないし。
『久しぶりでしょ?楽しんできてくださいね!』
「ありがとう」
心がチクッと痛んだけれど笑顔で見送った。感動の再会とかされたら完全に終わっちゃうよ、私…。ホテルへの足取りは少し重かった。
133人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃるちゃる(プロフ) - いろさん» ありがとうございます〜!これからも温かい目で見ていただけると嬉しいです! (2020年2月22日 16時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 続編おめでとうございます!楽しみにしてますっ (2020年2月21日 6時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:
作成日時:2020年2月20日 17時