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一瞬名前を呼ばれたかと思い驚いたが、どうやらそうではなかったようだ。
まぁこの感じ、絶対分かってないよね。
『ほら、覚えてませんか？1か月ぐらい前の強風の日！ちょうどここら辺で蹲ってた人助けてくれましたよね？』
「ん？…あぁ」
『それ、私です！！！』
そうだ、思い出した。ショッピングモールまで連れて行ってあげたんだった。
俺の顔から思い出したことを察したのか、彼女は明るい笑顔で「あの時もありがとうございました！」と元気に言ってきた。
『お礼をずっと言えてなかったなって思ってたんです。トイレから出てきたらもうお兄さんいなくて』
「それはごめん。呼ばれちゃって」
また会えただけで嬉しいです、と言って彼女は笑った。
それから、あの日は強風のせいで目にゴミが入って、コンタクトが取れかけたと話してくれた。
もうそれは何とも、お疲れ様ですとしか言えないのだが。
『あの、どうしてもお礼をしたいのですが！』
「あーだから良いって」
『それは無理です！だって、二回も助けてくださったんですよ！？私が黙ってられないです！』
「そうは言ってもねぇ…」
そんな大したことをしたつもりもないし、今回に至ってはほとんどと言っていいほど何もしていないし。
もはや動くなって言われて従ってただけだし。
『じゃあ、やっぱりお水代を払わせてくださいよ。せめて！』
「何でそれでせめてになるのよ」
また財布を出す彼女を止める俺。再放送かよ、これ。
『じゃあじゃあ、いつでも良いので何かあったら連絡してください！何でもしますんで！』
「え？」
まるで最終手段、と言うかのような顔をして一枚の紙きれを差し出してきた彼女。
モロ電話番号が書かれている。だがそんなの、到底受け取れるわけがない。
『もうー！はい！それじゃ、いつでも連絡待ってます！あ、私の名前はAAです！どうぞ、覚えて帰ってください！』
「え…」
頑なに受け取ろうとしない俺に痺れを切らしたのか、強制的に受け取らせ、嵐のように去っていった。
AAさん、か…。
とりあえずこの紙をそのまま捨てるのも悪いと思い、スマホに登録するだけして、紙をポケットにしまった。
こんなクセの強い人、絶対忘れないだろう。ポケットに手を突っ込んで、オフィスへと向かった。
to be continued...?
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ちゃるちゃる(プロフ) - いろさん» ありがとうございます〜！これからも温かい目で見ていただけると嬉しいです！ (2020年2月22日 16時) (
レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 続編おめでとうございます！楽しみにしてますっ (2020年2月21日 6時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月20日 17時
