yell kwkm ページ34
「川上さんYouTuber辞めちゃったね」
『そうだね』
自分の名前が話題に出され、思わず飲んでいたジョッキの手が止まった川上。三つ席が離れたカウンターで話す女性二人をチラリと見た。
「AめっちゃQuizKnock好きだったじゃん。意外と落ち込んでないんだね」
『いやこれでもショックだったけど？』
「全然そんなふうに見えない」
『そう？まぁでも、変わらずQuizKnockメンバーだから。そこは嬉しかったからね。
でも、好きな人には好きって言えるだけ言っておかないとだなって思ったよね』
じっと動かないで聞いていた川上は喉が渇き、静かにビールを一口飲んだ。
彼女たちの会話に興味がわき、本人だとバレないようにそっと二人の会話を盗み聞きをした。
『だってそうじゃん！同じ今を生きていることに感謝しろ？しかも、同じ国の人間なんだぞ？こんなに誇らしいことないだろ。気づいていないだけですれ違えてるかもしれないし』
「あー、そういえばA、マイケル・ジャクソン好きだったもんね」
『そう。もう残念ながらこの世にいないのよマイケル様は…贅沢言うなや本当に』
「ふふっ」
ずっと息を潜めて聞いていたが、耐えきれず吹き出してしまった川上。しまった、遂にバレてしまっただろうかと焦り下を向いてまた影を薄くした。
「…笑われてるけど(小声)」
『え？笑顔はいいことじゃないか。笑っていればいいことがあるかなって僕は考える。って私の推しが言ってましたー！』
「あー、某気象系集団さんね。ホントAってポジティブよね」
『ポジティブさいこー。はいそろそろ帰るよ。明日も仕事あるんだから』
そう言って二人は会計をして店を出て行った。良かった、バレていなかったと胸をなでおろしていると、ある物が目に入った川上。
それは今さっきまでいた女性のスマホと思われる物だった。
川上は考えた。届けに行くべきだろうか、と。スマホは大事な物だし…でも、もしかしたら気づいて戻ってくるかもしれない。それに、届けに行ってしまったら自分が川上拓郎だとバレてしまう。
「…お釣りはいりません」
川上はバレてでも届けに行くことを選んだ。それは、話を聞いていて心の中にあった黒い物を彼女が溶かしてくれたから。会ってお礼を言うならこのチャンスしかない。川上は走ってAと友人に呼ばれていた彼女を追いかけた。
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ちゃるちゃる(プロフ) - いろさん» ありがとうございます〜！これからも温かい目で見ていただけると嬉しいです！ (2020年2月22日 16時) (
レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 続編おめでとうございます！楽しみにしてますっ (2020年2月21日 6時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月20日 17時
