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「なあ、死ぬ日は教えてもらえるのに、死因は教えてくれないんでしょ?」

『そういう決まりだからな』


ちぇっと態とらしく俺が言うと、そういえばと言ってAは話題を変えてきた。


『ビデオメッセージ、撮り終えたの?』

「うん、ちゃんとパソコンに入れといたから大丈夫」


あとは簡単に俺のパソコンを開いてくれとでも書いた手紙を置いておけばその通りにしてくれるだろう。


「さ、仕事行ってくるわ」

『行ってらっしゃい』

「何でそんな悲しそうな顔すんだよ。せめて笑顔で送り出してくれよ」

『…元々こういう顔だっつの!』


ペシっと肩を叩かれて、思わず笑ってしまう。うん、これでいい。俺はAに手を振って家を出た。



.



仕事モードに入ると、完全にそのことしか考えられなくなるので今日俺は死ぬということをすっかり忘れていた。福良さんと一緒に取材を受け、オフィスへの帰り道に、俺の残された時間は終わりを告げた。

公園で遊んでいた小さな男の子がボールを追いかけて道路へ飛び出してきたところに車がやってきた。


「危ない!」


俺は咄嗟に走って一緒に道路に飛び出した。その瞬間、強い衝撃が襲った。ああそうか、俺はこうやって死ぬのか。男の子を庇って死ねるなら、いい死に方じゃないか。

本当はもっと、クイズがしたかったし人生を楽しみたかった。でもそれは、皆に託すよ。今までありがとう、皆。俺は瞼を閉じた。






.






.







「ん…」



ここは…?



「伊沢…?わかる?伊沢?」



あれ、福良さんの声がする…。



「ふくら、さん…?」

「そうだよ、福良だよ。今先生呼んだから」


先生…?どういう、ことだ?俺は死んだんじゃなかったのか?呆然としている俺を他所に、先生と呼ばれた医者がやってきて、軽い検査が行われた。

その間に川上をはじめとした皆が来てくれていて、泣いて喜んでいる姿を見て、俺は生きているのだと確信した。


「伊沢がいきなり飛び出していったからビックリしたよ。骨折だけで済んで本当に良かった」

「あ、俺が助けた男の子は?」

「勿論、伊沢のおかげで無傷だよ」


あぁ、良かった。福良さんもその場にいてくれてたから、即座に救急車を呼んでくれて、なんとか俺は一命を取りとめたが、どうやらまる2日、目を覚まさなかったらしい。


「でも不思議なことがあってさ。伊沢をまるで守るようにカラスも一緒に轢かれてたんだよね」

「え?」

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ちゃるちゃる(プロフ) - いろさん» ありがとうございます〜!これからも温かい目で見ていただけると嬉しいです! (2020年2月22日 16時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 続編おめでとうございます!楽しみにしてますっ (2020年2月21日 6時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年2月20日 17時

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