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りっぷ ymmt ページ21

おやすみ、とリビングで仕事をしている彼に言って布団にもぐること5分後、リップを塗っていないことに気づいた。まぁ、一日ぐらい塗らなくても死にはしないなぁ、と思いつつも、最近乾燥が酷いことを思い出し、渋々起き上がった。リップが置いてあるリビングへと向かった。


『あ…』


まだ私に気づいていない彼の、真剣に仕事に取り組む姿が不意にときめいて、ジッと見つめてしまった。


「おぉ、びっくりしたぁ。Aちゃん起きてたんなら言ってよー」

『あ、ごめんごめん』

そんな私からの視線に気づいたのか一瞬驚いてふにゃっと笑ってそう言った彼、祥くんのことが改めて好きだと思った。


「幽霊かと思って怖かったじゃん」

『ちゃんと生きてます。勝手に殺さないでください』

「えへへ、それでどうしたの?」

『リップ塗り忘れてて』

「え、リビングにいつも置いてるの?」

『そう。いつもリビングで塗ってから寝るっていうルーティーンだったからさ』

「え、忘れたのってもしかして僕が泊まりに来たせい?笑」

『んー、そうかもね笑』


なんて冗談を言い合いながらリップを手に取り塗った。


『祥くんも仕事ほどほどにして、ちゃんと寝てね。じゃ、おやすみ』

「…うん、おやすみ」


踵を返して寝室のドアを開けた瞬間、腕を引かれた。


『ん…っ!』

「ふは、リップ塗った意味なくなっちゃったね。おやすみ、A」


急な出来事に頭がついていけなかった。我に返ったときにはもう彼はおらず、ただただ一人でその場に崩れ落ちて照れていた。


『祥くんのバカ…』


おかげで眠れなくなっちゃったじゃないか。祥くんの小悪魔さには本当にお手上げだ。不意打ちが上手すぎる。キスに加えて呼び捨てというダブルコンボは心臓に悪すぎる。

だって絶対に祥くん楽しんでるもん。きっと今頃ニヤニヤしながら仕事が捗っているとこだろう。これは仕返しをしなくては。いつまでもやられっぱなしの私じゃいられない。

そうだ、眠れなくなってしまった今を有効活用して、布団にもぐって考えることにしよう。そして明日早速仕返しをすればいいのだ。うん、それが良い。そう意気込んだ矢先に寝てしまっていて仕返しが出来なかったのは言うまでもない。

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ちゃるちゃる(プロフ) - いろさん» ありがとうございます〜!これからも温かい目で見ていただけると嬉しいです! (2020年2月22日 16時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 続編おめでとうございます!楽しみにしてますっ (2020年2月21日 6時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年2月20日 17時

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