検索窓
今日:3 hit、昨日:15 hit、合計:83,648 hit

... ページ19

「え、だってルーズリーフだったから」


堂々と読んでたけど逆に気づかなかったん?って鼻で笑われた。うう、解せない。今度からルーズリーフで書くのはやめよう。多分そこじゃないと思うけど。


「それ、どっかに出すん?」

『いや、ただの趣味で書いてるだけだし』

「え、もったいな。絶対出すべきやって」

『そんな才能ないし…』

「何で出す前から諦めてるん?出してみないと分からないっしょ」


キリッとした目にピアスを開けていてこのキツめな関西弁、なかなか怖い人だと思っていたけど意外にも初対面の人に熱く語る熱血な人だった。


『だって…』

「何が不安なの?1人じゃ無理なら俺も出来ることは手伝うし」

『じゃ、じゃあ…』


どうしてだろう、初対面の人にちょっと褒められただけなのにその気になってしまったのは。きっとこの人の真剣さに、騙されてみたいと思ったからかもしれない。


『少し考えてみるよ。でも、その代わり、このことは誰にも言わないでくれませんか…?』

「もちろん。元々誰かに言うつもりなんてないから安心して」


良かった、と心の底から安心した。この笑顔に嘘はないと感じた。これでカレーが美味しく味わえる。


「川上拓郎」

『んえ?』

「俺の名前」

『…あ、AA、です』

「ん、よろしくな」

『…何が?』

「コンクールとかに出すんなら、もっと見直した方がいいだろ?特にここ、書き出しはいいけどその後が弱いし」

『え、えっ?』

「やるからにはとことんやらんと。な?」


こうして2人で何度も校閲を繰り返す日々が始まった。なんとか締切日ギリギリで提出することが出来た。いきなり期限に追われすぎて、提出できただけで2人でガッツポーズをしたぐらい。でもこの川上との出会いが、私の人生を大きく変えたのだ。まさかここまで熱血とは思わなかったけどね。






.

...→←...



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
133人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちゃるちゃる(プロフ) - いろさん» ありがとうございます〜!これからも温かい目で見ていただけると嬉しいです! (2020年2月22日 16時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 続編おめでとうございます!楽しみにしてますっ (2020年2月21日 6時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年2月20日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。