焙じ茶の乱-ymmt ページ3
抹茶の変の続き
あの屈辱的な出来事(私は怨念を込めて抹茶の変と呼んでいる)から数日後、平穏な日常に戻っていた。
「こうちゃんって本当にオレンジジュース好きだよね」
「だって美味いじゃん」
「分からなくもないけどさ、飽きない?」
「全然飽きない」
そう言って幸せそうにオレンジジュースを飲むこうちゃんを微笑ましく見つめながら私も飲む。まぁ私が飲んでるのはオレンジジュースじゃないけど。
「それ何?」
「ほうじ茶ラテ」
「へえ」
「最近のマイブーム」
「Aは飽きっぽいもんね」
よく分かってるじゃん。私は飽きっぽいし気分屋だからその日による。
抹茶ラテも飲んではいるけど最近はもっぱらほうじ茶。この甘さに癒される。
抹茶も飲まないわけではないけれど、山本くんの前では飲まないように心がけている。多分何も言われないとは思うんだけど、一応ね。
*
「マジで今日もほうじ茶飲んでんだね」
「言ったじゃん、ハマってるって」
「とか言って、明日あたりに飽きてたりして」
「うるさ〜!絶対飽きないし!」
いー!と煽ってるこうちゃんのことを睨んでマグカップから紙に持ち替えて席を立った。
「山本くん、これ言ってたヤツ」
「んー!ありがとう」
必要だと言っていた資料を渡しに山本くんのいるところまで行くとちょうど何かを飲んでいたようで零しそうになっていた。
「ごめん大丈夫?」
「うん、大丈夫大丈夫!」
「なら良かった……え?」
コトン、と置かれたマグカップを見ると私がさっき飲んでいたのと同じやつ。
パチッと山本くんと目が合った。驚いている私と焦っている彼。
これは…そういうこと?
「山本くんさ…昨日 私とこうちゃんが話してたの、聞いてたりしちゃった?」
「…そんなわけないじゃん」
気づいた途端私は頬が緩み出して止まらない。だって…ねぇ?無表情を貫いたつもりかもしれないけど、しっかりと目が泳いだの分かっちゃったんだよね。
これは反撃するしかないでしょ。
「なーんだ、祥彰くんとお揃いかと思ったのにな」
「ぇ、?」
じゃ!と言って彼の反応を見る前に逃げるように立ち去った。流石にやりすぎちゃったかな。ちょっと反省。
「A、顔赤くない?」
「え、山本どうしたの?」
慣れないことはするんじゃないね、私がダメージくらってどうするの。
「こうちゃん、この部屋暑いわ…」
「福良さん、俺マジでしんどい…!」
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豪炎寺修也推し - ちゃるちゃるさん» いえいえ、気にしないでください^ ^その時はコさん推しだったんだと思います。今また箱推しに戻っていまして…笑 コさんとは出身が同じなんですよ!それ見て嬉しくなってるんです!これからも頑張ってください! (2021年5月17日 20時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - お返事遅くなってすみません!涙 マシュマロもありがとうございます!コさん推しなんですね!一緒で嬉しいです!!笑 これからもよろしくお願いします! (2021年5月16日 17時) (レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - ちゃるちゃるさん» これからも見ますよ!ちなみに、28日についったの方で匿名で送らせて頂きました!でもついったログインできないので見れないのですが…。ちゃるちゃるさんに届けば!と思い、送らせて頂きました! (2021年4月30日 22時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - ありがとうございます!素敵なお言葉で励みになります、、、マイペース更新ですがどうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年4月29日 0時) (レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - コメント失礼します。ちゃるちゃるさんの作品を一気読みさせていただきました!この作品シリーズ、めちゃくちゃ好きです!更新待ってます! (2021年4月28日 20時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月8日 17時