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「なるほど…!そういうことだったんですね!」
納得したように彼女はふわりと笑って立ち止まった。
「あの話は忘れてください。福良さんに似た人がいたってだけなんで」
「えっ……」
それだけ言って、また歩き始めてしまったAさん。
…それは、狡いよ。
Aさんに出会ってから、変な夢みたいなのを時々見るようになってしまったのに。
ついさっきだって、よく分からないものが見えたのに。
これがAさんの言っていた前世なのかもって思ったのに。
「私はただのOLで、福良さんはYouTuber兼敏腕プロデューサー。もう会わない方がいいですよ、私たち」
さっき会社の人に言っていた話は、やっぱり俺のことなんだね。
まだ悲しそうに言ってくれれば僕だって諦めがつくのに、どうしてもう吹っ切れたような顔をして言うんだ。
俺には何も解決できてないんだよ。むしろ始まったばっかりだ。
勝手に終わりにしようとするのなら、俺は無理矢理にでも君を繋ぎ止める。
「あ、ここが私の家ですので、送ってくださりありがとうございました」
「Aさん」
タイミング良く、Aさんの家に着いた。くるりと振り返ってお辞儀をする彼女の名前を呼んだ。
「俺と友達になってよ」
「え…?」
「俺、もっとAさんのこと、知りたいんだ」
「え、え…?!」
コロコロと表情を変えて驚くAさんに自然と口角が上がった。
「じゃあ、また連絡するね。おやすみ、Aさん」
「え、ちょ…!」
ひらひらと手を振って元来た道を戻ればまた、ええ!?という声が聞こえて吹き出しそうになった。
家に着くなりスマホを見ると、Aさんから
“さっきのどういう意味ですか?!あと家の方向逆じゃないですか!嘘ついたんですか?!酷いです!”
というメッセージが来ていてまた笑えてきて、可愛いなあなんて思ったりもした。
「…綺麗だな」
カーテンを閉める時にふと見上げた夜空には綺麗な三日月があった。
俺たちの物語は、まだ始まったばかり───。
..
ページ数多くてすみません、良い具合に区切ることが出来なくて、えーいと載せちゃいました。
to be continued...? と書いてたくせに忘れて放置してしまい、続きを期待していた皆々様に大変お待たせ致しました。
この続きは書くか分かりませんが、これからもよろしくお願いします〜!
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豪炎寺修也推し - ちゃるちゃるさん» いえいえ、気にしないでください^ ^その時はコさん推しだったんだと思います。今また箱推しに戻っていまして…笑 コさんとは出身が同じなんですよ!それ見て嬉しくなってるんです!これからも頑張ってください! (2021年5月17日 20時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - お返事遅くなってすみません!涙 マシュマロもありがとうございます!コさん推しなんですね!一緒で嬉しいです!!笑 これからもよろしくお願いします! (2021年5月16日 17時) (レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - ちゃるちゃるさん» これからも見ますよ!ちなみに、28日についったの方で匿名で送らせて頂きました!でもついったログインできないので見れないのですが…。ちゃるちゃるさんに届けば!と思い、送らせて頂きました! (2021年4月30日 22時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - ありがとうございます!素敵なお言葉で励みになります、、、マイペース更新ですがどうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年4月29日 0時) (レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - コメント失礼します。ちゃるちゃるさんの作品を一気読みさせていただきました!この作品シリーズ、めちゃくちゃ好きです!更新待ってます! (2021年4月28日 20時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月8日 17時