言い合いはモーニングの前に-kwmr ページ17
君はいつだって私の味方でいてくれた。
「ここどこ…？怖いよ、助けて！」
「Aちゃん！」
小さい頃、たまたま見かけた野良猫についていったら道に迷ってしまった。1人孤独で心細くて家に帰ることも出来ず、途方に暮れていた時に助けに来てくれたのは君だった。
「帰ろう、Aちゃん」
「うん。ありがとう……拓哉くん」
私より2つだけ年上なだけなのに彼の手はとっても大きく見えた。差し出された手を握ると どんなに怖いことも不安なこともかき消してくれて安心するの。
「これからもずっと一緒にいようね」
「もちろん」
ねぇ、そうやって2人で笑いあったじゃん、あの時。私を置いて行かないでよ、拓哉くん────。
ああ、またこの夢か…。
「おはようございます、お嬢様」
「うわっ！」
ぱちっと目を開けると無駄にいい顔が目の前にあって思わず驚いた。
「いったぁ〜！」
驚いた拍子にベッドから転げ落ちてしまい、見事に頭を打った。なんという目覚めだよ。痛すぎる。
「すっかり目覚めたようでなによりです。朝食の準備が出来ていますので冷めないうちに来てくださいね」
「ちょっと！どんな起こし方してんのよ！こら！河村！！」
ニッコリと憎たらしい笑みを浮かべて私の部屋から出ていったアイツは私の執事である河村。全て完璧にこなしてくれるため助かってはいるが、少々手荒な真似をする時があって大変なのだ。
「はぁ、昔はあんなに可愛かったのにな」
毎回見る夢はいつだって、上下関係なんぞ一切なかったあの頃の思い出。よく当たると評判の占い師さんいわく、その頃に戻りたいと心のどこかで思っていることからの表れらしい。
「…そんなの、仕方ないじゃない」
私は今だってAちゃんって名前で呼ばれたいし、私も拓哉くんって名前で呼びたいの。こんな形でずっと一緒にいるなんて望んでない。それもこれも親という越えられない壁があるからどうしようもないのだけど。
「お嬢様？生きてますか？」
「生きてるわ！今着替えてるから入ってこないで！」
「承知しました。無事で何よりです。死んでしまっていたらどうご主人様に伝えようかと思いまして…」
「おい！勝手に殺すな！」
「ちなみにあと5分で8時です」
「はぁ？！遅刻するんだけど！ちょっと待って！」
…やっぱ訂正。執事自体他の人に変えてほしい！パパに電話して言いつけてやる！
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緋歌梨(プロフ) - ちゃるちゃるさん» いえいえ！ (2020年12月30日 22時) (
レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 緋歌梨さん» そうなんですね！知らなかったです。教えて下さりありがとうございます！ (2020年12月30日 22時) (レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！みかんの白い筋は､アルベドって言うんですよ！ラテン語で“白さ”という意味です！このコメントはスルーしていただいても構いません｡お節介ですいません… (2020年12月29日 20時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作者ホームページ：
作成日時：2020年11月9日 17時
