聡いか疎いか wtnb ページ46
この世界には本当に色々な人がいて面白い。まさに十人十色。
私は昔から他人を見るのが好きで、気づいたら感情を読み取る能力が備わっていた。
どこで発揮されるかと言われれば、学生時代は色恋沙汰、今は円滑なコミュニケーションを取る手助けとして使っていた。
「ね、須貝さんに好きな人いるの知ってた？」
『うん知ってた』
「うそマジか！俺だけ知らなかったの？」
『ドンマイこうちゃん』
ええー！と机に突っ伏せ始めた同い年のこうちゃん。うん、今も色恋沙汰には発揮されるっぽい。
「え、誰？」
『誰かは知らない。多分職場の人じゃないんじゃない？』
入ったのはこうちゃんよりも遅いが同い年のため気さくに話す私。この頃週一ペースで一緒にご飯を食べに行っている仲良しな私たち。
今までこの職場では所謂恋バナというものをしてこなかったから触れていなかっただけで、須貝さんは時々スマホを見つめながら表情がコロコロと変わっていたから察していた。
「さっき当たって砕けてくるわって出て行ってさ」
『じゃあ上手くいったら1番乗りだね』
「待って1番乗りにってどういうこと？他にもアタックしてる人いんの？」
この人は本当に色恋沙汰を知らないのね。くりくりした目で純粋に私を見つめてくるこうちゃんに一口水を飲んで目を合わせた。
『山本さんも伊沢さんも頑張ってアタックしてるよ』
「うっそ」
『嘘じゃない。山本さんとこは私達と同い年のあの子で、伊沢さんとこはエンジニアの』
「ええー！？」
今年1番驚きましたと言わんばかりの反応を見せてくれるので笑ってしまう。ここツートップで分かりやすいと思ってたんだけどな。
「そうなんだ…ただ単に仲がいいだけだと思ってた……え、俺めちゃめちゃ疎いタイプなんだね」
『そうだね。まぁ私が特に鋭いだけだと思うけど』
逆にここまでピュアなのも可愛くて羨ましいよ。その驚き方を私もしてみたい。なんだか楽しそうだもん。気づいたら分かってしまっているので正直つまらない。
『ちなみに山本さんのアタックはあざといの一言で片付けられてるからまだまだ頑張れって感じ。伊沢さんは…うーん、相手が1歩上行ってるんだよねぇ。そこが面白いんだけど。』
「そこまで分かんの？やば」
『ま、趣味が人間観察だからね』
お酒を飲みながらの会話だったので少し余計なことまで言ってしまったがまぁいいだろう。疎いタイプとはいえ空気は読めるだろうからそこら辺は気にしていない。
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ちゃるちゃる(プロフ) - わたぐもさん» わわ！ありがとうございます！！ギャップが大好きでして、そう言っていただけてとても嬉しいです！！ (2020年9月10日 17時) (
レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - 新作のこうちゃんのお話どストライクすぎました…… (2020年9月10日 2時) (レス) id: 22632e30cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作成日時：2020年8月3日 16時
