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「ねぇ、君って何者なの?パイセンって呼ばれてたけど」
『ん?あー。別にそんな深い仲じゃないよ。時々会うヤンキー共と私って感じ』
「君もヤンキー?」
『私?違うよ、酷いなあ。パイセンとか呼ばれてるけどそれはただ単に名前知らないからなだけでしょ』
 
そういうもんなのか?姉御のように慕われている感じが俺には見えた。
 
「名前、なんて言うの?」
『AA。あれ、言ってなかったっけ?』
「初めて聞いたよ」
『あ、そう。ごめんね』
 
教えたくないのかと思って聞くのをずっと躊躇っていたけど、案外普通に教えてくれて拍子抜けした。それからAさんと暫く話した。聞けば同い年という。
 
『私はあの子達みたいに自由に生きてこれなかったから、ちょっと羨ましいのもあるんだろうね』
「そうなの?」
『うん。親が厳しくて』

友達なんてずっと続くものじゃないんだからそんなことのために時間を割くぐらいなら勉強しろって言うような人でね。反抗する勇気もなくって高校時代はただ言われた通りにしてた。
こっちに上京してからはもうのびのびとやってるの。色々あってもう親とは縁を切ったようなものでさ。
 
明るく言ってのけているが、当時は相当大変だったんだろう。終始笑っているが、その奥には悲しさが見えた。
 
『パイセンって呼ばれるほどの人間じゃないの、私はね』
「…十分強いよ、Aさんは。俺からしたってパイセンだよ」
『あはは、こうちゃんには負けるって!』
 
そう言ってとびっきりの笑顔を向けてくれた。うん、やっぱり君にはその笑顔が似合っている。
 
「ねえ、俺と友達になってよ」
 
俺がそう言うと、キョトンとして固まったAさん。
 
『もちろん。私でよければ!あの子達のこともこれからも聞かせてよ』
 
そのあとすぐにAさんは優しく笑って承諾してくれた。
いつか、俺の隣には彼女が笑っていてくれたらいいな、なんて思って、彼女と連絡先を交換した。


 
 
(え、パイセンのことが好きなの?仕方ないなあ〜俺らがキューピットになってやるよ)
(やめろマジで!そんなんじゃないから!)


..
はじこいパロ。

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ちゃるちゃる(プロフ) - わたぐもさん» わわ!ありがとうございます!!ギャップが大好きでして、そう言っていただけてとても嬉しいです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - 新作のこうちゃんのお話どストライクすぎました…… (2020年9月10日 2時) (レス) id: 22632e30cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃるちゃる | 作成日時:2020年8月3日 16時

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