I know you kwmr ページ34
私は寝ることが大好きだ。いつでもどこでも寝ることが出来る。これが私の自慢出来る特技ともいえる。だがそのせいであだ名は眠り姫になったりしている。
「ほら、起きろ」
『んにゃ』
集中力が切れ、休憩中にうたた寝をしていたらほっぺたをペンでどつかれた。
「おはよ」
『おはようございます。河村さん、もうちょっと優しく起こしてくれません？』
頬を擦りながら起こしてくれた先輩である河村さんを見つめるが、本人は涼しい顔をして首を傾げた。
意外と力強くて痛かった。多分暫くは跡が消えないと思うぐらい。
「だってすぐに起きないから」
『段階ってものを踏みましょ？』
「面倒くさかった」
『酷いです。福良さんはもっと優しく起こしてくれたのにぃ』
おはようと挨拶してくれる顔はとても爽やかだったのでそこは加点。でも起こし方に減点ですね。
それに比べて福良さんは起こし方も満点だった。見習ってほしいぐらいです。
「A？お前は起こしてもらってる側だぞ？何をそんなに偉そうに言ってるんだ？」
『大変申し訳ありませんでした』
全く表情を変えない河村さんに丁寧に謝罪をすると、分かればよろしいと許しをもらえたので一安心。
「早く続きやりな」
『はーい』
返事をすると、もう用はないと思ったのか私の前からいなくなってしまった。
河村さんはこんな感じで私のことを雑に扱ってくるが、河村さんに起こしてもらった時が1番仕事が捗るのだ。
「A、顔がゆるゆるになってないで手を動かせ」
『すみませんっ』
しっかりと見られていた。チラッと河村さんの方を見ると全く私を見向きもせず。まるで私に興味なんて無いかのように。
でも私は、そんな河村さんに恋をしている。
私は隙あらば居眠りをしてしまうただの問題児なのだが、河村さんが起こしてくれる瞬間はまるで本当に眠り姫になったかのように感じるんだ。
『終わった〜！』
きちんと今日の分の仕事を終わらせ、データを社長の元へ送っておく。
立ち上がり帰宅する準備をしながら辺りを見回した。
『あれ、河村さんは？』
「帰ってはないと思うけど今居ないね。伝言なら受け取っとくよ？」
優しい福良さんはそう言ってくれたが、大丈夫ですと言ってオフィスを後にした。
本当は日頃のお礼に一緒に帰りながらスイーツでも買って渡そうかと思ったんだけど居ないならしょうがない。
河村さんも忙しいんだ、それでも私に構ってくれてたなんて。心の中で改めて感謝をして1人歩いた。
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ちゃるちゃる(プロフ) - わたぐもさん» わわ！ありがとうございます！！ギャップが大好きでして、そう言っていただけてとても嬉しいです！！ (2020年9月10日 17時) (
レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - 新作のこうちゃんのお話どストライクすぎました…… (2020年9月10日 2時) (レス) id: 22632e30cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作成日時：2020年8月3日 16時
