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『はぁ…』
「はは、なんとか撒いたね」
安心してついため息を零す私に歯を見せて笑いながら言ってきた。さっきまでは焦っていたのもありちゃんと見れなかったが、目の前の彼の顔をきちんと見ると、見たことあるようなないような。でもとにかく顔が整っていて、目を奪われた。
え、何これ、私、一目惚れ…？いやいやまさか。助けてくれたからそういうフィルターがかかって見えているだけだよ。
『あ、ありがとうございました。それじゃ』
「あぁ、うん。無事で良かったよ」
ぽん、と肩を叩かれたがポーカーフェイスを保ちながら私はお礼を言ってそそくさと立ち去った。ダメダメ。私はまともな恋愛は出来ないんだ。クズにはクズがお似合いなんだよ。
『ただいま』
一人暮らしの我が家へと帰宅した。ついただいまと言ってしまうのは昔からの癖。そして電気をつけて早々にテレビの電源を入れるのも変わらない癖だ。
“本日は社長でもある伊沢拓司さんに来ていただきました！よろしくお願いします！”
昨日見ていたままのチャンネル。不意に視線をやると拍手で迎えられながらよろしくお願いしますと出てきたのは紛れもなく今日会った人。
マジか。私そんな有名人に助けられてたんだ。そりゃうっかり恋に落ちそうにもなるわ。
やっと目が覚めてなるほどと頷きながらズボンのポケットに手を突っ込むと何かに触れた。
取り出してみると折りたたまれている一枚の紙が入っていた。なんだこれ、レシート？いや、ちゃんと財布に入れる派だけどな。
『───嘘でしょ、』
開いた口が塞がらないとはまさにこの事。畳まれた紙にはついさっき聞いた名前が書かれている。
“どうですか？伊沢さん”
“いやーそうですね。この部分というのは──”
私のような貧乏でクズな平凡女が社長さんと会う世界線を作ってはいけないんだよ。
そんなの、魔法のランプでも使わない限り、有り得ないでしょう。
..
勝手に始めましたプリンセスシリーズ。
どこまで続けるか分かりませんが、何時かは、必ず-sgiはシンデレラ、こちらはアラジンをモチーフに書きました。
タイトルは両方とも曲の歌詞から。
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ちゃるちゃる(プロフ) - わたぐもさん» わわ！ありがとうございます！！ギャップが大好きでして、そう言っていただけてとても嬉しいです！！ (2020年9月10日 17時) (
レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - 新作のこうちゃんのお話どストライクすぎました…… (2020年9月10日 2時) (レス) id: 22632e30cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作成日時：2020年8月3日 16時
