... ページ30
涙もろくなったもんだなあ。酔いも回ってか、涙が頬を伝った。
「A」
手で涙を拭いていたら、愛しい人の声で名前を呼ばれた。
完全に自分の世界に入っていて、人が入ってきていたことに気づかなかった。
『っ…なんで』
せっかく拭ったはずの涙がまた溢れて止まらない。
ずっと会いたくて仕方がなかった人が目の前にいるなんて。
よいしょ、と私の隣に座る彼は、あのころと変わらない笑顔で、でも、以前よりも痩せていた。
どうしてあの時は何も言わずにいなくなったの？
私のこと嫌いになったんじゃなかったの？
今更何しに来たの？
言いたいことはたくさんあったのに、泣いていて全く口に出して言えなかった。
「今でもそのイヤリングつけてるんだね」
私が落ち着いてきたころを見計らったかのようにポツリと呟く拓司。
『当たり前じゃん。未練もくそもないよ。いきなりいなくなるなんて』
「ごめん」
そのごめんは、何に対して？
返ってくる答えが怖くて聞けない。
「好きだったよ、前も、今も」
そう言って、目の前に出されたのは小さいけれど向日葵がたくさん詰まった花束。
また涙で視界がぼやけてしまう。
簡単に言うよね、
だけどその言葉で救われたのは他でもない私。
『私も…っずっと、好きだよ』
泣きじゃくる私を宥めるようにポンポンと頭を撫でてくれる手が、優しくてさらに泣きそうになったのは内緒。
..
向日葵の花言葉 「あなただけを見つめる」
紫の向日葵の花言葉「悲哀」
(おまけ)
「でもさ、俺が今まで何してたか本当に知らないの？」
『知ってるわけないじゃん』
「俺結構テレビとか出てたんだけどなー」
(その場でスマホで検索する)
『……全然知らなかったんだけど。え、これ本当に拓司なの？別人じゃん』
「酷くね？」
『何だよー、知ってればちょっとは寂しさ和らいだかもしれないのにー』
「え、無視？」
(おまけ��)
『マジで何年待ってたと思ってんの？』
「それはマジでごめん」
『だけど11本の向日葵で許しちゃってる自分がいて嫌だ』
「え、Aその意味知ってるの？」
『拓司がいない間に私だって勉強したんだから！』
「もうさらに好きになっちゃうじゃん」
『…そういうことさらっと言うのヤダ』
11本の向日葵「最愛」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 292人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか(プロフ) - 初コメ失礼します。トクベツといい、身長差のない恋人といい、自分の推しの話が自担グループである嵐の曲でとてもテンションが上がりました！話も面白いですので、読んでいて楽しいです！ (2021年2月17日 0時) (
レス) id: 9ed625666a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 月夜星さん» ありがとうございます！曲の良さを消してしまわないように気を付けながら書いておりますので、そう言ってくださると嬉しいです！ (2020年4月22日 17時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
月夜星(プロフ) - こんにちは！青空が違う！！めっちゃ好きな曲で、好きなQ．K.さんたちのお話で！めっちゃ楽しいです！これからも頑張ってください！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: 5e0ae6c178 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 望さん» そうです！好きな人たちのコラボって嬉しいですよね。つい勝手に作ってしまいました！笑 (2020年4月17日 22時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
望 - これ欅坂や日向坂の曲ですよね？好きな人が好きな曲で…読んでいて楽しいです^^* (2020年4月16日 8時) (レス) id: 2bba6c15ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃるちゃる | 作者ホームページ：
作成日時：2019年9月8日 14時
