化物語GX (ページ9)

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ゆうきクラブ 1-7 ページ9

いた・・・丁度階段を降りている途中だったようだ。

僕が階段を降りてくる音に気付いたのか、遊城は僕が声をかける前にこちらに振り向く。その目は少し圧されるものを感じだが、今は怯んではいけない。

「・・・呆れた。いや、ここは素直に驚いたと言うべきだな。あれだけの事をされておいて、すぐに反抗精神を立ち上げる事が出来たなんてさ。」

「遊城・・・あの」

「いいぜわかった。分かりました。A。」

僕の発言を拒むように、遊城は少々強めに言葉を発した。

そして何処からかデュエルディスクを構えて、そこに自分のデッキを差し込んで数枚手札に加える。

「・・・戦争をしようか。」

遊城の目は、もはや殺気に満ちていた。

こいつは僕の事を本気で消そうとしている。そう思える程に。

「ち、違う違う！戦争はしない！」

すぐに攻撃される前に僕は慌てて制止をかけた。

こいつは短気なのか、はたまた戦争主義なのか・・・一々冷や汗を流すはめになる、とても心臓に悪い。

「しないのか？なぁんだ・・・じゃあ、何の用だよ？」

「ひょっとしたら何だけど、お前の力になれるかもしれないと思って。」

「力に・・・？」

僕の言葉を聞いた遊城は、鋭い目を更に鋭くさせながら眉間に皺を寄せる。

「ふざけるな。お前に何が出来るって言うんだよ？黙って気をはらわないでいてくれたらそれでいい。優しさも、敵対行為と見なすぞ。」

遊城は階段を一段登って威嚇する。

そんな遊城に僕は髪で隠れた耳を見せる。さっきこいつに傷付けられた耳をだ。

「・・・え？」

僕の耳を見た遊城は驚愕し、手に持っていたカードを手放した。そのカードはヒラヒラと宙を舞って、パラリと階段の所々に落ちていく。

百聞は一見にしかず。この言葉を、僕はしみじみ体感する事になるとは夢にも思わなかった。

「傷が・・・ない・・・？お前・・・それって・・・どういう・・・？」

そしてここから、僕、AAと遊城十代の物語が始まるのだ。