化物語GX (ページ30)

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ゆうきクラブ 2-13 ページ30

「さて、じゃあリラックスする所から始めよう。ここは自分の場所だ、君がいて、当たり前な場所。」

「・・・ああ。」

「頭を下げたまま、目を閉じて。数を数えよう。」

遊城が俯くのを見た後、それに続き僕も俯き、目を閉じる。

「1つ。」

三沢の声が部屋に響く。

「2つ。」

まるで三沢がすぐ隣に居るかのように、その声は反響していく。

「3つ。」

僕は呪文を唱えられているような錯覚を覚えた。

「4つ。」

隙間風が頬を掠めていく。

「5つ。」

その風は、ロウソクの火を静かに揺らす。

「6つ。7つ。」

自分の心臓の音が、ゆっくりと波打っていく。

「8つ。9つ・・・。落ち着いたか？」

「・・・ああ。」

「そう・・・じゃあ質問に答えてみようか。」

ここはもう、遊城と三沢の二人の領域のように感じた。

僕の出る幕は、今は無い。

「十代、君のフルネームは？」

「遊城十代。」

「通っている学校は？」

「デュエルアカデミア。」

「誕生日は？」

「8月31日。」

「一番好きな小説家は？」

「夢野久作。」

「子供の頃の失敗談を聞かせてくれるか？」

「言いたくない。」

「好きな固定音楽は？」

「音楽はあまり嗜まない。」

「小学校を卒業する時、どう思った？」

「単純に、中学校に移るだけだと思った。公立から公立へ行くだけだったから。」

「初恋の女の子はどんな子だった？」

「言いたくない。」

「今までの人生で、一番辛かった思い出は？」

「・・・・・・」

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