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ゆうきクラブ 2-12 ページ29
そうして僕たちは、ついに儀式の間へと足を踏み入れたのだった。
その場所は、何処か重い雰囲気を醸し出していた。
空気が重いのか、それとも、三沢の言う神がもうそこにいるのか・・・否、両方当てはまっているのかも知れない。
三沢は神棚のような所まで行くと、振り向かずに口を開いた。
「2人とも。目を伏せて、頭を低くしてくれるか？」
「・・・？」
三沢の言葉に、疑問の眼差しを背中に投げ掛ける。
遊城もどうやら同じ事を考えていたらしく、三沢の方をジッと見ていた。
「神前だよ？ここはもう。」
「・・・」
「・・・」
三沢は僕たちの思考を汲み取ったのか、目線だけをこちらに向け、そう言った。
僕たちは何も言わないまま、三沢の言ったことそのままに行動する。
ゆっくりと足を進めて、途中に張ってある縄に気をつけながら、遊城は三沢の後ろ、僕は遊城の一歩後ろまで歩く。
三沢はそれを確認すると、何やら
「・・・え、何だよ？」
「お酒を飲むと、神様との距離を縮める事が出来る・・・そうだ。」
「未成年だ。」
「酔う程の量は飲まなくていいさ、ちょっとだけ。」
「・・・」
遊城は少し躊躇していたが、静かに盃を受け取ると、口に当て始めた。
ゴクリという音が部屋にやけに響く。それ程この空間には音が無いのだろう。
あるとするなら、所々に立ててあるロウソクの火が、隙間風に吹かれてゆらゆらと揺れている音ぐらいだ。
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作者名：ちゃもー | 作成日時：2016年8月16日 1時
