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# 58 ページ10








【樹 Side】






14時25分___





樹「今日Aが家に来る...焦る...」






昨日は思わず本心が出ちゃった。


いや、出ていいんだ。




じゃないと、俺とAの関係はずっと平行線だった。




でも、この気持ちに気づけたのは、慎のおかげ。


なんか嫌だな。







よく考えてみれば、Aへの気持ちは気づいてないだけで日頃から感じていたと今思う。




まあ今更、んなこと思ったって都合が良すぎる。





考えるのをやめて、Aが来るのを待とう。



















14時37分____









樹「...遅くね。」








遅刻をしてくるAなんて珍しい。

プライベートでは、時間は指定しないで適当に来てって感じだったけど。







樹「...好きな人が来ないってこんなにも不安で心配なのか。」









焦りと不安でその場に留まっていられず部屋の中をグルグル。


電話をかけても出ない。










14時44分____







樹「...よし。」








流石に耐えられず、Aを探しに行くことに。

こんな俺って重いかな。

















【慎 Side】






14時28分____



慎「今日はAとお家デートか。
こんな天気に来させてなんか申し訳ないなあ。」








仮の彼氏としては迎えに行きたいとこだけど、
致命的なことに家を知らない。


上に住む樹さんに聞いても答えてくれないだろう。









Prrrrrrr.....〔応答がありませんでした〕









慎「電話にも出ないし。準備でもしてるのかな。」









俺がこんな気持ちになるのは何年ぶりだろう。


人のために自分の精神が削られる感じを味わったのは。






体験初日の時に、姿を見て分かった。




"この子は偽りの彼氏なんて求めてない"





って。


本当は好きな人がいるはずなんだ。





なのに、気づいてない。



気づいてないからこそいい。




Aはあの同僚(・・・・)が好きなんだ。









こんな体験に手をつけて、自分を模索して、
体験をしながら、あの同僚への有難みを感じ、
しかしそれを何度も振り払ってきた。







そんな彼女を見て、俺は愛おしさを覚えた。





こういう子が俺の方を向いてくれたらどれだけ
幸せなことだろう...







慎「...あっ。」









俺はふとある事に気づいた。








慎「お菓子でも買ってこよっと。」









そして、この天気の中、俺は外を出る。

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作者名:てん | 作成日時:2020年3月22日 6時

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