Some 2 (ページ9)

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ゴロロロロロロ＿＿＿＿

ザァァァ＿＿＿＿＿

ヒュウウウウウウ＿＿＿＿＿＿

「...なんじゃこの天気。」

雷に雨に風。

この世が終わるのではないかというくらいの天気。

そんな私は樹と会う約束の30分前に家を出た。

厚着をし、ビニール傘を持って。

斜めから打ち付ける雨は私の顔へと直撃する。

これじゃメイクした意味もない。

雨が針となって私の顔へ目掛けてズキズキと刺さってくる。

風はお風呂入ったばかりのキレイな私の髪をぐしゃぐしゃにする。

これじゃセットしたのも意味もない。

この天気が私を全てぶち壊してくる。

「こんなん樹に迎えに来てもらえば良かった...」

慎くんは私の家など知らない。今、頼れるのは樹のみ。

スマホを取り出そうと信号のある十字路に止まり、傘を肩と首に挟む。

しかしその時、強風が私を襲った。

こんな強風にビニール傘で出かけた私が悪いのだろう。ビニール傘は一瞬にして壊れ、ゴミとなった。

「うわっ！！！」

そしていざスマホを取り出すと、青信号ギリギリでスピードを出してきた車が水溜まりの上を通り、バシャッ！！と、私の全身へ水がかかった。

おかげでスマホがつかなくなった。

今にも泣きそうだった。

「もうヤダよ～...。いつきぃ...。」

挫けそうな心を抱えたまま、青になった信号を思い足取りと今にも凍えそうな身体で樹のもとへ向かった。