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もう放課後か。ボーッとしていたせいか、この日の授業は殆ど頭に入らなかった。まぁ、普段から聞いてないけど。
キ「おーい。早く支度しねぇと先帰んぞ」
『勝手に帰ってろ。いつも一緒に帰ってるわけじゃないだろ』
キ「あんな事があったんだから1人の時に狙われるだろ」
あんな事とは体育館裏の出来事だろう。こいつに話したっけ。あ、あの時か。
『それに、今日は用があるからダメだ』
キ「お前が?あ、先生の頼みとか?さすが、優等生ぶってるだけあんなー」
『違うけどそういうことにしといてくれ』
何分なったら行けばいいだろうか。コイツが帰ったら?あんくらいの問題だったら平均点以下だった馬鹿も15分あれば終わるだろう。となると、16時15分から始まるので16時30分頃に行けばいいだろうか。
キ「あ、わかった!もしかして補習?あの1人ってお前だったのか!ほーら、狡賢いことしてっからこんな目にあうんだよ。まぁお前なら、30秒もあれば終わるだろ。玄関にいるから終わったら早く来いよー」
そう言うと、キヨは手を振りながら教室を出て行った。相変わらずうるさい。
ま「あ、Aちゃん!一緒に帰ろ?」
『うぉっ……』
その瞬間、教室から悲鳴が上がった。厳密に言うと、女子の黄色い悲鳴だ。
何故なら、私の手を自身の手で包みながら相川真冬が問いてきたからだろう。何故こんなに目がキラキラしているのだろうか。
『すみませんが、この後用があるんで。てか、話しかけないでくださいよ』
ま「体育着貸してあげたのになー」
『では、私と話すということが借りの消費ということで』
ま「あぁ、違う違う!って、何か借りの意味が違うような……。ま、まぁ玄関で待ってるから終わったら来てね!」
そう言うと、相川真冬も手を振りながら教室を出て行った。デジャヴかよ。
天「ねぇ」
『何ですか』
天「まふに何したの?」
『いえ、何も』
天「変な事しないでよね」
冷たい目で天宮翔太はこちらを一瞥し、相川真冬の後を追って行った。
後ろにいた花森愛美は、こちらに会釈すると2人のことを追って行った。
教室にいた女子達は意を決して玄関に行く者もいれば、花森愛美には勝てないと思ったのか女子のグループで帰ろうとしていた。
時刻は16時25分になった。部活やら委員会やらでどんどん教室から人が居なくなっていき、残るは私だけになってしまった。
確か補習が行われる場所は2-Cと言っていた気がする。そろそろ向かうか。
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ミミ - 面白い作品に出会えて嬉しいです!更新大変でしょうが頑張って下さい!応援してます。 (2019年10月27日 22時) (レス) id: f690071450 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年8月9日 11時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - 海さん» 返信が遅くなり、誠に申し訳ありません。更新が遅いですが、これからも見て下さるとありがたいです。励みになるコメント、ありがとうございます。 (2019年6月1日 14時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - いつも楽しく読まさせてもらってます!とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年4月3日 18時) (レス) id: ba67b17bbf (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - モモ缶。さん» ありがとうございます!実は最後の展開は少しずつ話に出しています。 (2018年11月28日 22時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜貝 | 作成日時:2018年9月11日 7時