プール ページ4
『ひっ!』
背中にひんやりした日焼け止めを塗られ、思わず声が出てしまう。
自分で塗ると、冷たいってわかっているので覚悟を持ってできる。だが、他人に塗ってもらうと、いつ来るかわからない冷たさに驚いてしまう。
る「ちょっ、そんなに動かんといてや……」
『頼んだ覚えはありません!』
必死に抵抗するが、黒崎光は塗り慣れているのか、あっという間に塗り終えてしまう。ついでだと思うが、紐も縛ってくれた。日焼け止めに塗り慣れるとかあるのかは知らないが。
る「はい、終わり。じゃあ行こっか」
『いやいや、何勝手に決めてるんですか』
私の腕を引っ張る黒崎光に反抗する。こっちは絶対に入らないと決めた身だ。何としてでも……
る「浮き輪持ってねー。後は特に持ってく物は無いか」
『バカ!入らないと言ってるだろ!』
私の言葉を無視して、グイグイ腕を引っ張る。太陽が眩しい。せめて、長袖とスパッツを着ていれば……
る「せーのっ、ほい!」
『え?ちょっ、何するんだぁぁぁ!』
気付けば私の体は激しい水飛沫と共に、水中に沈んでいた。あ、足着かないわ。
る「泳げないんやったら、最初に言ってよ……」
『お前が勝手に投げたんだろ!』
黒崎光に救われ、何とか息をすることができた。
る「初めてプールで泳いだな。人が少なくて助かったわー」
『笑い事じゃありません』
目撃者も、プールで泳いでる人を見たらヤバいやつって思うけど、顔が良ければ問題ないのだろうか。
る「はい、浮き輪」
そう言われ、頭から浮き輪を被せられる。足が着かないことは変わりないが、無いよりはマシだ。
いきなり後ろが重くなった。
『後ろに乗らないでください』
る「イイやん。こっちの方が近い距離におれるし」
簡単に言うと、今は後ろから抱きつかれるような体勢である。
る「女の子はこれでキャーキャー言うんになー……。Aちゃんはどういうのが好き?」
『強いて言えば、貴方が退いてくれることですね』
る「つれへんなー」
少しぬるいプールの水は、入るには丁度よくて。ぷかぷか浮かんでるだけなのに、時間が経つのを忘れてしまう。
てか、何時まで入っているんだよ。足が着いていない私には、テントまでの道のりを操作できない。
『もう上がりたいんですけど』
る「えー?まだ10分位しか経ってないやけど。あ、そうだ」
何か思いついた顔をすると、人気の無い所まで浮き輪を引っ張られた。
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ミミ - 面白い作品に出会えて嬉しいです!更新大変でしょうが頑張って下さい!応援してます。 (2019年10月27日 22時) (レス) id: f690071450 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年8月9日 11時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - 海さん» 返信が遅くなり、誠に申し訳ありません。更新が遅いですが、これからも見て下さるとありがたいです。励みになるコメント、ありがとうございます。 (2019年6月1日 14時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - いつも楽しく読まさせてもらってます!とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年4月3日 18時) (レス) id: ba67b17bbf (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - モモ缶。さん» ありがとうございます!実は最後の展開は少しずつ話に出しています。 (2018年11月28日 22時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜貝 | 作成日時:2018年9月11日 7時