抽選 ページ20
『今日は作業をする前に、体育祭の種目毎のメンバーを決めます』
放課後。私は会長と約束したように、種目毎のメンバーを決める時間をとった。
『体育祭の種目は、全員で参加するのは全員リレーと綱引き。個人で参加してもらうのは、障害物リレー、借り物競争、二人三脚です。二人三脚は男女ペアです。ペアになる人は、抽選で決めさせてもらいます。黒板に個人種目の欄を書いておいたので、手元にあるネームプレートを貼りに来てください』
私がそう言うと、ぞろぞろと動き出した。しかし、それは男子だけ。おそらく、女子はアイツらの動きを見て自分がする種目を選ぶのだろう。わかりやす過ぎる。
キ「どれにするのか決めたのか?」
『何も、余り物に入る』
キ「そう言うと思ったわ」
キヨは障害物リレーにネームプレートを貼ると同時に、背を向け合う形で聞いてきた。もっと堂々と話せばいいものの。
ま「……おし、これで行くぞ!天月くんは何にするか決めた?」
天「んー、何も」
ま「ちょっとやりたい事があるから協力してくれない?」
天「やりたい事?」
ま「いいからいいから!」
窓側から相川真冬と天宮翔太の会話が聞こえてきた。内容的に、相川真冬が何か企んでいるようだ。警戒しなければ。
会話後、相川真冬が自分のと天宮翔太のネームプレートを持って貼ったのは、二人三脚だった。戦争が始まるぞ。
貼った瞬間、女子達は一目散に二人三脚にネームプレートを貼りに行った。先着じゃないのに何故急ぐ必要があるんだ。
これで大体は貼ったのだろうか。私は一番空いている障害物リレーに入ろう。
教卓に置いといた自分のネームプレートを取ろうとするが、無い。もしかして、落としたか。辺りを探してみるが、見当たらない。もしかしたら、自分の机に置いたままかもしれないな。
「全員貼ったんで、一番多い二人三脚の抽選しまーす」
全員貼った?
急に鈴木が話し始めたかと思ったら、何を言い出すんだコイツは。私はまだ貼っていないぞ。
何かの間違いだと思い二人三脚の欄に目を通すと、そこには私の名前が貼ってあった。
その瞬間、何となく私は察した。犯人は、相川真冬だと。
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ミミ - 面白い作品に出会えて嬉しいです!更新大変でしょうが頑張って下さい!応援してます。 (2019年10月27日 22時) (レス) id: f690071450 (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年8月9日 11時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - 海さん» 返信が遅くなり、誠に申し訳ありません。更新が遅いですが、これからも見て下さるとありがたいです。励みになるコメント、ありがとうございます。 (2019年6月1日 14時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - いつも楽しく読まさせてもらってます!とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年4月3日 18時) (レス) id: ba67b17bbf (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - モモ缶。さん» ありがとうございます!実は最後の展開は少しずつ話に出しています。 (2018年11月28日 22時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜貝 | 作成日時:2018年9月11日 7時