92．「ずるいよ」 ページ6
RJ side
「ん、じゃあ俺帰るわ」
『なんで？ケーキとチキンは？』
「一人で食えば。それか暇そうなやつが近くにいると思うけど」
『………そんな人いないよ、クリスマスだもん』
「いるだろ、わかってるくせに」
『きっと断られるよ』
「そしたら慰めてやるよ、パフェ一回分で」
『冷たいなあ』
「もう優しくするのはやめた」
『……さっきまで私のこと好きで好きで仕方がないって言ってたくせに』
「そうは言ってないだろ！」
殴るフリをすれば、きゃーと言って手で顔を覆った。
何もしてこない俺を不思議に思ったのかゆっくりと手を下ろし、様子を伺うように上目遣いで俺の動きを待つ。
バカだなあ、でもそれも可愛いと思ってしまう。
どうしたらこの気持ちは消えてくれるんだろうか。
『………』
「なんだよ」
『…、私たちこれからは友達になれる？』
不安そうに眉毛を下げるAを見ると、息が詰まってしまう。
これから先も俺じゃない男に笑いかける顔を見れば心は痛むと思うし、なんでもないことでときめいたりするんだと思う。
でもきっといつかこういう感情もなくなっていく。
そうしたらちゃんと同じ気持ちでAと友達になれるはずだ。
「何言ってんの、当たり前だろ」
『だって』
「Aはそんな心配しなくていいから。いつもどおりバカみたいに笑ってろ」
『…バカはひどくない？』
「じゃあな、一人で食うなよ、太るぞ」
『本当に帰るの？』
「帰るよ」
『、またね』
「うん、じゃあな」
さっき歩いた道を同じように戻りながら、音楽でも聞こうと思いスマホを取り出す。
一人で家に帰るのもなんとなく嫌で、SNSを見ればヤンヤンが” クリスマスには火鍋に限る ”と載せていた。
どいつもこいつもバカばっかりだ。ああでも1番バカなのは俺だったのか。
「今から参加で」と送ったけどすぐに返信はこない。
顔見知りしかいないその会に急に参加してもきっと歓迎してくれるだろう。
いつもはうるさすぎると思うその会も、今日ばかりは気が紛れてありがたい。「待ってるよー」と来た返信を確認して電車に乗り込んだ。
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ロク(プロフ) - 奈胡（元jen）さん» ありがとうございます🥹！私もこんな学生生活送りたかったなと考えながら書きました😩笑 スピンオフも気長にお待ちいただけたら嬉しいです〜！ (4月16日 3時) (
レス) id: c303f509b7 (このIDを非表示/違反報告)
ロク(プロフ) - ゆかりさん» ありがとうございます🥹完結までに時間がかかってしまいましたが読んでいただけて嬉しいです〜！ドンヒョクとの話考えておりますので更新お待ちください ˆᴗˆ (4月16日 3時) (レス) id: c303f509b7 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）(プロフ) - 完結おめでとうございます そしてお疲れ様でした！こんな優しいイケメン4人に囲まれる人生送りたかったー！スピンオフ楽しみにしています (4月15日 2時) (レス) @page19 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に大好きな作品で、更新される度ワクワクしながら読ませていただいてました。ドンヒョクと主人公の雰囲気や関係性がとても好きなので、ドンヒョクとの番外編も読みたいです！ (4月14日 11時) (レス) @page19 id: f5ce26c2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロク | 作成日時：2024年3月21日 3時
