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XJ「あ、Aちゃん」
「シャオジュンくん、今帰り？」
俺だけに笑いかけた顔がかわいくて胸がキュンとときめく。
何でもない帰り道がキラキラ輝いて見えるんだから、Aちゃんは魔法使いの素質があると思う。
「駅まで一緒に行く？」
XJ「いいの？」
「あはは、私から誘ったんだよ？いいに決まってるじゃん」
XJ「あ、それならこの前出来たカフェ寄って行かない？いや、もし暇だったら」
急に誘うのってキモくないか。でも友達だから許されるよな。
返事がなかなか来ないから頭の中でどうしようもない自問自答をしてしまう。
意気地なし〜とヤンヤンが頭の中で笑った。
「、シャオジュンくんっていつもそれ言うね」
XJ「だって、」
「………シャオジュンくんが誘ってくれたらいつでも暇になるのに」
人間驚き過ぎると声も出ないもんだな。
そんなどうでもいいことが頭に浮かんだ。
いや、待て待て待て。
ちょうど良く赤になった信号で立ち止まり、さっきのAちゃんの言葉を頭の中で繰り返す。
俺が誘ったらいつでも暇になるってどういうことだ？
ちらりと横目で見た耳が見間違いじゃなければ真っ赤になっていた。
それって、かなり都合よく解釈してしまうけどいいんだろうか。
「当たって砕けろ！」とヤンヤンの声が頭に響く。
砕けちゃダメだし、いや既に砕けてはいるんだけど、実は砕けていないかもしれなくて、ってこんな時くらいちょっと黙っててくれないか、と頭の中でいたずらな顔をするヤンヤンを振り払う。
XJ「、それって…どういう意味？」
「……私に言わせるの？」
信号はとっくに青になったけれど、俺もAちゃんも先に進む気はない。
上目遣いで目を合わせてきたAちゃんの耳はやっぱり真っ赤だった。
XJ「Aちゃん」
「うん」
XJ「俺、……Aちゃんのことが好きです」
「知ってる」
XJ「え、あ、俺と付き合ってくれませんか」
「私も好きです、よろしくお願いします」
思い描いていたようなロマンチックなシチュエーションではないし、ここは通学路の信号待ちだ。
でもAちゃんが笑うだけで映画のワンシーンみたいに思える。
感動で胸がいっぱいになって何も言葉にならない。
そんな俺に向かって口を尖らせて「なんか言ってよ」と言う。
あ〜もう、どうしようもなくかわいい。
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作者名：ロク | 作成日時：2022年12月25日 22時
