56.「あれから俺は」 ページ10
HC side
話があると言ったけど、肝心な話は一つも出来ないまま時間ばかりが経っていく。
そんな俺に彼女は何も言わなかった。
話って何？とか一言聞いてくれれば、しなくちゃけない話をすることができたと思うのに。
………タイミングを待つなんて、いつから俺はこんなに意気地なしになったんだろう。
今日はここまでというジャニ先生の言葉で意識を取り戻す。
教室を出て行く横顔を眺めていたら目があってウインクされたけど、今日は寝てないからアレは圧をかけられたわけじゃないと信じたい。
JN「何ボーッとしてるの」
HC「ジェノヤ〜〜」
JN「次、文化祭で何やるか決めるって」
HC「へえ…」
JN「元気ないね」
HC「そんなことないけど」
JN「文化祭なんていつもならドンヒョガが一番張り切りそうなのに」
HC「俺だってセンチメンタルな気持ちになる日があるんだよ」
JN「ふうん。で、何がいいと思う？」
HC「何があったのとか聞いてくれても良くない？」
JN「興味ないし」
HC「ジェノヤ冷たい………」
わざとらしく悲しい顔をすれば、ジェノは何も言わなかったけど顔にはめんどくせえって書いてあった。
言葉に出さないだけジェノは優しいと思う。
それにしても球技大会が終わったと思えば、もう文化祭か。
去年、俺のクラスはおばけやしきをやって、
嫌がるAの手を引っ張って無理やり引き込んで、
後でジェノとジェミンに絞められたんだっけ。
JN「やりたいことないの」
HC「なんだろうなあ」
JN「ちゃんと考えてよ」
HC「無難にカフェとかでいいんじゃん？」
JN「あー」
HC「何？」
JN「Aのクラスもカフェって言ってた気がする」
HC「へえ」
JN「まあコンセプト変えれば別にいいか」
HC「……ジェノは、」
JN「ん？」
HC「いや、なんでもない」
気づくと、俺は、あれからAのことばかり考えている。
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ロク(プロフ) - ゆさん» 返信出来ておらず申し訳ありません…😭完結したので最後まで読んでいただけてたら嬉しいです🥺 (4月16日 3時) (
レス) id: c303f509b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - いつも陰ながら楽しませていただいてます！今回のお話もたくさんキュンキュンしました~^^これからも応援しています！ (2023年3月16日 9時) (レス) id: a3a66f07ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロク | 作成日時：2022年7月18日 9時
