55.「顔が暗いよ」 ページ9
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いつも通りに学校に着くと珍しく先にジェミンがいた。
机に突っ伏した頭にポンポンと触れて「おはよ」と言えば
勢いよく頭があがり、上目遣いで私を心配そうに見つめる。
大きな瞳はきゅるきゅるとかそんな効果音が聞こえてきそうだ。
JM「風邪治った？大丈夫？無理してない？」
『もう大丈夫だよ、なんともない』
JM「でも顔が暗いよ」
『もともとこういう顔なの』
JM「いつもはもっと可愛いのに」
朝起きたらドンちゃんはいなくて、
おでこには冷えピタが貼ってあったから夢の中の冷たい感覚はそれだったんだと思う。
でもそれじゃあ机に置かれた飴の瓶はなんだったんだろう。
あれは小さい頃から風邪を引いた日にドンちゃんがくれるものと同じだった。
親からも他の友達からも貰ったことはない。
最後に貰ったのはもう数年前になるけど、私にとっては今でも大事な思い出だった。
ぐるぐると忙しない頭を回転させていると、温かく柔らかい手が私の頬をむにっと掴む。
JM「A、起きてる？」
『起きてるよ〜』
JM「今日のホームルームで文化祭の出し物決めるって」
『へえ、今年は何するんだろう』
JM「Aは何がやりたい？」
『お化け屋敷以外』
JM「去年は大変だったもんね」
『今年は平和に過ごせそう』
後ろから眠そうな声で「おはよ」と聞こえて振り返れば、ロンジュンがいた。
素早く立ち上がって、ロンジュナ〜〜とへばりついたジェミンを鬱陶しそうに「やめろ」とロンジュンが抵抗する。
なんか猫のじゃれあいのように思えて、
微笑ましい気持ちで二人のやり取りを眺めていると、
ロンジュンとぱちっと目が合った。
RJ「体調もう大丈夫なの」
『絶好調！』
RJ「ふうん」
『なに？」
RJ「……病み上がりなんだから無理すんなよ」
『え、あ、うん』
「ジェミナいい加減にして」とロンジュンはジェミンを引き剥がして自分の席に行ってしまった。
ジェミンがちぇと小さく舌打ちをした音が、こんなに近くにいるのになんだか遠くから聞こえた。
私がうまく返事ができなかったのは、
ロンジュンの髪の隙間から見えた耳が真っ赤だったからだろうか。
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ロク(プロフ) - ゆさん» 返信出来ておらず申し訳ありません…😭完結したので最後まで読んでいただけてたら嬉しいです🥺 (4月16日 3時) (
レス) id: c303f509b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - いつも陰ながら楽しませていただいてます！今回のお話もたくさんキュンキュンしました~^^これからも応援しています！ (2023年3月16日 9時) (レス) id: a3a66f07ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロク | 作成日時：2022年7月18日 9時
